ワンゲル用語集 か行

名称 読み 意味
カール かーる (独Kar)氷河のあった場所のうち、氷河の侵食によって、お椀の底のようになった窪地。圏谷、氷河圏谷とも。木曽駒・千畳敷カールなどが有名。
海岸歩き かいがんあるき <沢>ワンゲルの活動の一つ。ほとんど西表で実施される。砂浜や岩礁地帯をただひたすら歩くのみだが、青い海とサンゴ礁を誰よりも濃厚に体験できることは間違いない。釣りや海水浴ができるのも大きな魅力である。
概念図 がいねんず 行く山域の簡単な地図。水場やCS場所などの情報を書き加え、レジュメに載せる。あくまでも「概念」なので細かく書きすぎると役員会で見にくいと文句が出るので注意。でもあまりに簡単すぎても分かりづらい。要はコース全体が見やすく、分かりやすければよい。
下降 かこう <沢>沢登りでは、遡行するだけでなく、沢を下ることもある。一般に遡行より難しい。訓練のため予備合宿でも必ず一回は行う。クライムダウンをすることもあるが、ほとんどの滝は巻きかアプザイレンで突破する。
下降器 かこうき <沢>エイト環ルベルソATCなど、アプザイレンを行う時に使う器具。ビレイ器具と兼用できるものが多い。
傘貝 かさがい 西表島の海岸津々浦々に棲息する、編傘の形をした貝。岩にへばり付いているのをナイフ等で剥がすことができるが、人の気配を感じると岩に密着して取れなくなる。西表島には、「海岸の傘貝を食べ尽くしては、別の海岸に移動する」生活を送った仙人も居たという。その話を聞いて我々も実践を試みたが、あまりイケる食べ物ではなかった。
重ね打ち かさねうち ハーケンを打ってみて、リスが広すぎて効かなかったときは、もう一本重ねて打って効かせる。
肩ガラミ かたがらみ <沢>肩がらみ懸垂下降のこと。ザイルを直接体に巻きつけて行なうので、こすれて痛い。襟付きシャツ必須。コンピラで練習するだけ。Y先輩がこれの最中に逆さ吊りになったとかで今は確保しながら練習を行っている。
合宿 がっしゅく 夏休みと春休みにいく、長期山行。本合宿とも呼ぶ。関西圏を離れて、普段行けないような遠いところに行く。これを実施するための練習として行うのが予備合宿。行くところの例:〔縦走・夏〕大雪山、北アルプスなど〔縦走・春〕屋久島など〔沢・夏〕知床・白神山地など〔沢・春〕西表
カッター かったー カッターシャツのこと。山ではこれを着ることが多い。
かま <沢>滝の下にある丸い形をした淵。滝の水の流れが岩を削り、お釜のようになっている。
ガムテ がむて ガムテープ(布テープ)。ガムテは、テント補修用等として山の必需品である。ポリタンの水漏れをを一時的に止めたり、壊れた靴を補修したり・・・。かつてはこれを使ってヒルレンジャーなるものに変身していた人もいたらしい。(変身にはガムテの他にも渓流タビとジャージのズボンが必要。)
カメラ かめら 美しい風景写真を撮るのが山の楽しみの一つであるが、面白いネタ写真(映像)が撮れるのがもっと楽しみ。
カモノハシ かものはし プラティ」の項を参照。
カラビナ からびな <沢>(独Karabiner)クライミング用具のひとつ。ゲート付きの金属の輪状の道具。ゲートがあり、バネで開閉できる。 ザイルや支点などの連結に使う。丁寧に扱うべし。
空身 からみ ピストンのときなどに、荷物を持たないこと。
ガレ がれ 山の斜面において、崩壊によって岩や石がごろごろしているところを「ガレている」と表現する。ガレ場は歩きにくいので慎重に歩く。cf.ザレ
河原歩き かわらあるき <沢>沢登りの要素のひとつ。平坦な河原を飛び石をぴょんぴょんと飛びながら進む。楽だが長いとダレることも。
漢字 かんじ <時事>最近ワンゲル部員の漢字力の無さが目立つ。
完成編 かんせいへん 「この山行を成功させれば、合宿にいける」予備合宿のことをこう呼ぶ。
完沈 かんちん 」の項を参照。
環付 かんつき <沢>安全環付きカラビナカラビナの一種で、開閉にロック機能が付いているもの。オートロック式とのスクリュー式のものがある。
観天望気 かんてんぼうき 雲の様子などを見て、天気を判断すること。
乾パン かんぱん 予備食に採用されている。水が無いとたくさん食べるのはつらい。
気象 きしょう パーティーの役職のひとつ。気象レジュメを作り、山ではラジオを聴いて天気図を描く。
キックステップ きっくすてっぷ アイゼンなしで雪上を歩く技術。登山靴を固くなった雪面につま先(かかと)を突き刺すようにして登る(下る)。
急登 きゅうとう 息が切れるぐらい急な登り。
共装 きょうそう 共同装備の略。テントや火器、沢のザイルなど、パーティ全員の為の装備。反対語:個装
京大ゴルジュ きょうだいごるじゅ <KUWVオリ>京大西部構内の入り口周辺のこと。門柱が微妙に狭かったり、イベントで異常にたくさん車が停まっていたりして、車を入れるときにはとても苦労する。←ゴルジュ
キレット きれっと (日本語 切戸)尾根が深く切れ落ちている場所。三大キレット{大キレット(槍ヶ岳〜穂高岳)、八峰キレット(五竜岳〜鹿島槍ヶ岳)、不帰キレット(白馬岳〜唐松岳)}が有名。登山道上の難所であることが多い。
記録 きろく @パーティの役職のひとつ。山行中の記録をとる。CLが兼任することが多い。 A@の人が残した記録。ボックス内に置いてあり、次回から同じ所に行くときの参考にする。最近きれいに整理されて、過去の記録が検索しやすくなった。
逆クリップ ぎゃくくりっぷ <沢>ランビレ(リード・クライム)のときにやってはいけないことの一つ。ザイルカラビナにかけるとき、カラビナに岩側から体側にザイルが通るようにしなくてはならないが、その逆をやってしまうこと。墜落したときザイルカラビナのゲートを開けて外れる可能性が高くなる。
逆層 ぎゃくそう 岩盤の層が、下向きに斜めになっていること。登りにくい。反対語は順層。
銀マ ぎんま 保温と水分の上昇を防ぐための、テント内の敷物。銀マットの略。京大ワンゲルでは薄くてクッション性能が無いものを好んで使用する。軽いし。
空中懸垂 くうちゅうけんすい 懸垂下降で垂直以上の崖を降りるときに、全身が完全に宙に浮いた状態になること。多くの沢面は西表で初体験する。
空中戦 くうちゅうせん 濃厚なヤブで地面に接触することもできずにひたすら進むこと。参照:舞空術
空中放り出し くうちゅうほうりだし <沢>下降で滝を突破するときの方法の一つ。直登巻きクライムダウン中に進退窮まった時に、ザックを釜に放り投げ、命の危険にかかわるような高さから運を天命に任せるように、ふわっと・・・。あまり高いところからだと危険なのでめったにやらない。やるのは口ノ深谷くらいか。
草付 くさつき <沢>短い丈の草が生えた斜面のこと。ホールドにすることもあるが、基本的にたよりない。
鎖場 くさりば 登山道上で、岩場や高度感がある場所には、鎖やロープが設置してあることがある。通過に時間がかかるため、混雑しやすい場所でもある。
くま 山における最強の生き物。そのなかでも北の大地に棲むヒグマは一番強い。運悪く出会った時には、「死んだふり」は有効な手段とは言えない。動物には逃げるものを追い掛ける性質があるが、横たわっているところを熊に匂いを嗅いでこられたら、逃げ出してしまうに違いないからである。立ち止まって睨んだり静かに声をかけたりしながら、ゆっくりと後退し、熊が居なくなったらひたすら逃げるのみである。ツキノワグマは比良や京都北山でも見られ、ヤブで出会った部員もいる。ヤブが濃い場合には「熊にぶつかるまで気付かなかった」という話もあるので、充分注意が必要である。
熊よけの鈴 くまよけのすず 熊が怖いときはつけよう。しかし今の京大ワンゲルでは誰もつけていない。部員同士の会話が熊よけになっているのだろう。
クライムダウン くらいむだうん 岩登り用語で、ザイルを使わず手足を使って降りること。登る時より若干難しい。
クライン くらいん <KUWVオリ>小便のこと。ドイツ語のklein(小さい)より。誰かがこの言葉を使ってるのを聞いたことは一度も無い。
クラック くらっく <沢>(英crack)岩の割れ目のこと。ハーケンを打ち込む細いもの(リス)から、体を入れてチムニー登りができるものまで、サイズはさまざま。岩を登るときのコースの弱点になっていることが多い。
グレード ぐれーど @クライミングにおける、岩壁登攀の難易度。国によっていろいろな基準があるが、日本ではRCCU(第二次ロック・クライミング・クラブ)が定めた基準を使うことが多い。登攀だけでなく巻きや渡渉などの技術もグレードを決める材料になる。難易度に応じてT級〜Y級にわかれている。A沢登りのルートの難易度。登攀だけでなく巻きや渡渉などの技術もグレードを決める材料になる。沢登り研究会が定めた1級〜6級のグレードが有名。
グロ ぐろ <KUWVオリ>大便のこと。ドイツ語のgross(大きい)より。こちらはよく使われる言葉。グロテスク、というわけはなしらしい。
グロ場 ぐろば <KUWVオリ>グロをする場所のこと。「グロ場を制す者は山を制す」と言われる。毎朝、適切なグロ場を確保して適切なグロを排出することは、幸福な山の生活の第一歩である。また「君子グロ場に近寄らず」とも言われる。山を歩いていて、知らず知らずの内にグロ場に踏み込んでいるというのはたまに起こる事であるが、まさに悲惨極まりない。
グロッペ ぐろっぺ <KUWVオリ>グロ+ペーパーで、トイレットペーパーのこと。グロの後でお世話になるのみならず、山にあまり痕跡を残さない身上のKUWV部員にとっては、使用後のコッフェルを処理する唯一の手段である。いかに少量のグロッペで食器をキレイにできるか、ワンゲラーとして腕の見せ所である。防水には注意が必要。
軍足 ぐんそく 親指が分かれた靴下。沢靴・地下足袋を履くときに使用。焚き火で乾かすときによく焦がす。そのうち乾きやすい化繊の五本指靴下に取って代わられるかもしれない???
軽アイゼン けいあいぜん 4本爪や6本爪のアイゼンA。雪渓がある山に行くときは持っていったほうがいいだろう。
携帯燃料 けいたいねんりょう メタ」の項を参照。
軽登山靴 けいとざんぐつ 略して軽登。主に無雪期に使う、軽めの登山靴。最近はゴアも多い。重さの明確な基準は無い。⇔重登山靴
渓流タビ けいりゅうたび <沢>沢靴」参照。
渓流釣り けいりゅうつり <沢>沢中で、メンバーに一人でも釣りをする人がいれば、イワナやアマゴを釣ってくれる。焚き火で焼いて食べると最高にうまい。
ケービング けーびんぐ 英語でcaving。洞窟探検。KUWVでも昔やっていたようだ。
下山 げざん 登山を終了し、山から下りること。⇔入山
下山連絡 げざんれんらく 無事に下山したことを知らせるために、留守本部に連絡すること。これを怠ると遭難したとみなされかねない。
ケルン けるん (英仏cairn)円錐状に積んだ石の山。山頂や迷いやすいところに作られていて、道迷い防止のための道しるべとなる。
懸垂下降 けんすいかこう <沢>アプザイレンを参照。
ゴア ごあ ゴアテックス。米ゴアテックス社の商標。水は通さず水蒸気だけを通すという特殊なシートで、これを利用した製品は汗で蒸れにくい。セパなどの雨具で絶大な効果を発揮する。欠点はやや高価なことだが、京大ワンゲル内ではセパのゴア化が進んでいる・・・かどうかは定かではない。
行沈 こうちん 」の項を参照。
行動食 こうどうしょく 山行中、疲労を防ぐため、レストのときに摂取する食べ物。昼食に時間が取れないときも行動食を食べる。
甲羅干し こうらぼし やり過ぎてはいけない。
ゴーロ ごーろ でっかい岩がたくさんあるところ。沢に多い。岩の上を歩くことで歩行ペースを上げることができる。岩の選択がパズルみたいで面白いとか、上り下りの繰り返しで疲れるとか、好みが大きく分かれる。
個人山行 こじんさんこう 部の審議を通していない山行はすべてこう呼んでいる。役員以外は原則として禁止されている。
個装 こそう 個人装備。シュラフやコッフェルなど、個人的な用途の装備。秘密兵器も個装に含まれる。反対語:共装
コッフェル こっふぇる (独Kocher)携帯用の食器のことで、金属製のものは直接火にかけることができる。料理の時には、まな板としても機能する。高級タイプには軽くて丈夫なチタン製もあるが、アルツハイマーを恐れない庶民はアルミ製コッフェルを愛用する。コッフェルの大きさは人によって千差万別で、小さすぎると当然ながら食べ物があまり入らないので不便。逆に、あまりに大きいコッフェルだと配給係の反感を買ってしまい、少ししかよそってくれない場合もあるので、これもまた不便。
コッヘル こっへる ↑コッフェルに同じ。
ゴボウ ごぼう <沢>クライミング技術のひとつで、ザイルをつかんで登ることをいう。「ごぼう」を抜く姿に似ていることから。
顧問 こもん @ワンゲル部にもちゃんと部の顧問がいる。が、存在感は薄い。A初めてのリーダーのときなどについていく上回生のこと。
小屋 こや 山小屋
御来光 ごらいこう 高い山の山頂から見る日の出。
コル こる (仏col)尾根上で低くなっているところ。鞍部とも。人が通る場合は乗越(のっこし)、交易路である場合は峠と呼ぶらしい。
ゴルジュ ごるじゅ <沢>語源はフランス語の"gorge"(喉)から。その名のとおり、両岸が迫りのどのようになったところ。流水の全てが集中するため水勢が激しく、また陰うつな雰囲気で、見るからにいかついことがほとんどである。突破は難しいが、これがあるから沢登りの面白みは増す。何事にもメリハリが必要だ。
コンパス こんぱす ルーファイには欠かせないアイテム。方位磁針。京大ワンゲルではシルバコンパスが普及している。
コンピラ こんぴら 京都大原の寂光院近くにある金比羅山はロックゲレンデとして知られている。沢に必要な岩の技術も練習できるし、京大ワンゲルのパーティーは安全対策として必ず地下足袋を持ってコンピラを訪れる。大学から自転車で約四十分位の場所であるが、行きは心臓破りの坂を登らねばならず、金はかかるがバスで行くという選択肢を採ることも。Yケン、ビビル、ホワイトチムニー、カルピス、など面白い名前の岩場が沢山あるが、由来はよく分からない。

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