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2009後期 沢面 個人山行

南紀 小口川滝本本谷遡行

概要

【日時】

2010年2月27日〜28日(0付日帰り)

【行程】

1日目:宝龍滝観賞道(入山)〜燈明滝〜ボタバ谷出合〜稜線〜滝本集落(下山)

【メンバー】

  • 根本(SL)ー原澤(CL)

【概要】

2月にもかかわらず春のような陽気が続く中、初めて根本から沢の誘いを受けた。やる気のある後輩にうれしくて涙が出そうだった。滝本本谷は名を持つ滝群と連続するナメを持つ、いかにも南紀な感じの美渓である。


記録

2月27日(アプローチ)

国道169号を使って和歌山へ。細くグネグネの道を、運転してる本人が軽く気持ち悪くなるほど荒い運転で行ったために根本を酔わせてしまった(陶酔ではない)。途中から雨がかなり強く降り出し、明日は無理かなぁと半ば諦めムードになったが、とりあえず熊野川沿いの道の駅まで行って車中泊。

2月28日 雨のち快晴

5:30 起床。アプローチを再開。

6:50 宝龍滝観賞道入口付近のスペースに駐車。

7:09 出発。

7:46 宝龍一ノ滝上。

7:55 宝龍二ノ滝上。

8:12 下コッペ滝下。

8:26〜38 堰堤上でレスト。

9:03 燈明滝下。

10:19〜30 ボタバ谷出合でレスト。遡行終了。

12:00 下山。

雨は朝になっても降っていたが、予報ではこれから晴れるようだし、とりあえず入山地点まで行ってみようということでアプローチを再開。宝龍滝入口に着く頃には晴れ間が見え出し、川の水も濁ってなかったので入山を決定した。

入山後、宝龍滝までは滝見道を使う。やはりかなり増水しているようで宝龍一ノ滝はなんかすごいことになっていた。近くまで行ってみたが、風圧と水滴がすさまじかったので写真だけ撮ってとっとと巻き開始。左岸から出合う杉谷沿いに岩壁を回り込み、傾斜が緩くなったら立木頼りに尾根まで登っていく。結構ズルズルで意外と面倒くさかった。尾根を下るとそこが落ち口。たぶんこの巻きがこの谷の核心部。目の前に宝龍二ノ滝がこれもすごい迫力で落ちているが、この巻きはさっきの左岸尾根の踏み跡をたどればいいだけ。

この後しばらく平凡な渓相が続き、下コッペ滝15mが登場。これに関しては写真で見たのと全く違う滝だった。あぁこれやっちまったかもとここに来て思った。ここは左岸の階段状の岩を登って巻き、すぐ後に続く幅広の滝とコッペ滝10mもまとめて左岸を巻いた。この谷は5〜10mくらいの幅広滝が多く、この上でまた幅広滝かと思ったら今度は堰堤だった。

堰堤を越えると左岸に「平維盛居住跡」という看板とともに石垣が現れた。平維盛がいったい何をした人なのかよく知らないが、こんな滝と滝の間に住むくらいだから結構せっぱ詰まった状況だったんだろうなと歴史に思いを馳せた。

少し行って奥コッペ滝10m。これも幅広。それにしてもコッペってどういう意味なんだろう。右岸巻きでこれを越えるときれいなナメが出てくるが、その後はしばらく平凡なゴーロ帯となる。一箇所だけ水に浸からないと進めないところがあり、高巻いた。平水だったら普通に行けたのかもしれない。

最後の滝であるナベラゴノ滝は右岸を巻いて越えた。滝上からはナメ床が延々と続くが、増水のせいでナメをヒタヒタ歩くという楽しみは味わえず、水流の弱い際を歩いていった。おまけに上流部は水がかなり冷たく、極力水に触れないように進んでいって、ほとんど遡行終了状態になっていた。

そんな風にしてしばらく進むと右岸から導水路となってボタバ谷が出合い、ここで本当の遡行終了。そこからはまずボタバ谷沿いに付けられた黄色と黒の階段を稜線まで登っていき、西進してしばらくシカ柵沿いの踏み跡を進んでいく。南斜面は完全に伐採されていて痛々しかったが、地形が丸わかりで読図はしやすかった。北斜面が開けて滝本集落がばっちり見えるようになったあたりでシカ柵からそれて西への尾根に入る。この辺はガスってると迷いやすいらしいが、赤い杭を目印にしていけばたぶん大丈夫。あとはガンガン下って立派な巡視路に乗り、それを滝本の発電所まで下って下山。発電所のT字路は左が正解。僕らは右に行き、民家の裏の藪斜面をトラバースして最後に無駄な苦労をした。

熊野川温泉さつきに寄った後、42号を使って大回りで帰京。ちょうど津波警報が出ており、海岸沿いは警察が出動して物々しい雰囲気だったが、一方でかなりの数の野次馬が海を眺めていて、みんな暇なんだなと思った。


山行を終えて

総括

この増水の中入渓したのは少しまずかったと思うが、その分迫力ある滝群を楽しめた。あっ、また「迫力ある」を使ってしまった。まぁとにかく南紀の沢はいいなぁと改めて思った。根本には西表前のいい足慣らしになったんじゃないだろうか。