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2009前期 沢面 完成編

台高 銚子川光谷左俣下降・右俣遡行

概要

【日時】

2009年7月17日〜19日(0付1泊2日・予備日1日)

【行程】

1日目:大台ヶ原駐車場(入山)〜尾鷲辻〜雷峠〜左俣下降点〜二俣(CS1)

2日目:二俣(CS1)〜3段40m滝〜奥の二俣〜稜線〜尾鷲辻〜大台ヶ原駐車場(下山)

【メンバー】

  • 山川(SL/Top/装備)ー根本(Sec/食当)ー原澤(CL/記録/医療/気象/装補)

【概要】

Part2で下降ができなかったこともあり、完成編は下降を組み合わせられる台高の3級・銚子川光谷へ。あまり記録の多くない谷だが、100m滝という見所もあり、直登、巻きともに難易度の高い谷である。


記録

7月17日(アプローチ)

お馴染みとなった大台ヶ原駐車場で0付。途中の大台ヶ原ドライブウェイでは計18頭の鹿を目撃した。0時過ぎに就寝。

7月18日 曇り時々晴れ

5:00 起床。

5:48 出発。

6:15 尾鷲辻。

6:53〜7:02 堂倉山でレスト。

8:08〜18 レスト。

8:49 地倉山。

9:02〜12 コブシ嶺でレスト。

9:29〜42 光谷左俣の下降点。沢装備装着。

10:32〜42 レスト。

10:59〜11:36 20m滝でアプザイレン。

12:14 光谷の二俣(CS1)。

19:10 就寝。

コースタイムに余裕があるので少し遅めの起床。尾鷲辻までは非常によく整備された道であるが、そこから徐々に荒れてきてところどころ不明瞭になる。堂倉山からの下りには意味不明の方向にテープが張っており、それに誘導されてしまったため、斜面をトラバースして正規ルートに復帰。さらに地倉山付近でもぼ〜っと踏み跡をたどっていたらいつのまにか逆方向の尾根に入ってしまっていた。ここでも復帰に無駄な体力を使った。

こんな調子では下降点をまた間違えるんじゃないかと不安になったが、左俣の下降点は尾根がはっきり屈曲するところで大変わかりやすく助かった。

左俣の下降は聞いていた通りたいしたことなく、主にゴーロ帯を降りていく感じだったが、根本は下降に慣れていないためか、ビックリするような派手さでしょっちゅうこけていた。最後の20m滝はそのまま巻くこともできそうだったが、練習のため右岸巻き途中からアプザイレン。これが唯一のイベントだった。

早くも昼過ぎにはCS1の二俣に着いてしまったので、下流で見つけた釜で飛び込んだり泳いだりしてしばらく遊んでいた。そういえばこれが今年初のダイブかもしれない。ダイブの有無によって沢の楽しさは5倍くらい違ってくると思う。

二俣は未整備の林道がここまで延びているため、とても広く快適なテン場だった。夜はこれまた今年初の焚き火を囲んで夕食&酒盛り。僕は茄子が苦手だが、焚き火効果で麻婆茄子もおいしく感じられた。みんなで焚き火を囲んで晩餐。これをするかしないかでも、楽しさはやっぱり5倍くらい違うと思う。みんなと言っても3人だけど。

7月19日 曇り時々晴れ

4:00 起床。

4:55 出発。

5:36〜44 3段40m滝手前でレスト。

6:47〜55 巻き途中の小ピークでレスト。

7:09 巻き終了。

7:24〜36 30m滝上でレスト。

8:05 100m滝。

8:54〜9:04 レスト。

9:27 奥の二俣。

10:06〜17 水汲みレスト。

10:32〜50 稜線。遡行終了。

11:44〜57 レスト。

12:42 尾鷲辻。

13:11 大台ヶ原駐車場。下山。

起床後沢面にしては珍しく1時間出発を達成。おかげで谷はまだ結構暗かった。右俣に入りしばらくすると、岩盤が右に傾いている場所や行合と呼ばれる両岸の壁が極度に狭まった場所が登場して見る者の目を楽しませた。まぁ3人だけだけど。いずれの場所も通過は簡単。

出発後1ピッチで核心部の3段40m滝に到着。写真を撮ったが、緊張のためか手ブレ補正で補正されないほどブレていた。さてここの巻きだが、想像以上に難しかった。まず右岸壁に取り付きリッジ状部分を登っていくのだが、上部がかぶり気味で一歩踏み出すのに勇気が必要だった。山川さんが登った後、一応という感じで根本にザイルを出したが、ここは全員にザイルを出すくらいでもよかったかもしれない。この壁を登りきったらルンゼに入り、さらに数十m登って右壁から尾根に乗る。この尾根を小ピーク目指して登っていくのだが、金毘羅のYケン尾根を急にしてさらに藪を生やした感じで、非常にうっとうしい上に全く気が抜けなかった。見晴らしのいい小ピークに出るとようやく一息つけるが、ここで山川さんが「メガネを藪に食われたようだ」とさらっと言ったのでビックリした。そこまで目は悪くないようで、遡行に支障がなかったのは不幸中の幸いだった。小ピークでのレストを終え、今度はルンゼめがけて急斜面を立木頼りに一気に下っていく。30m滝の前に出て長かった巻きはようやく終わった。

これで滝場は終わり、ようやく緊張の糸がほぐれる。しばらく進むとV字状ゴルジュが出てくるが、ヒグチムニーで突破。根本は初ヒグチムニーに興奮していた。

今回2泊3日の計画で奥の二俣をCS2としていたが、かなり早く着いたため、今日中下山を目指すことに決定。これ以降小滝がちょこちょこ出てくるだけで、詰めも比較的ゆるやかで前半の厳しさがうそのようだった。

地形図通り地倉山付近に詰め上がり、あとは昨日と同じ道をたどるだけだったが、堂倉山付近で道をはずすという同じ過ちを犯してしまい、とにかく尾鷲辻までが長く感じた。根本は「あっここ尾鷲辻の近くのとこだ」とかなり手前から何度も繰り返し、僕らをイライラさせた。

尾鷲辻で休もうかと思ったが、人がたくさんいて休めず、結局駐車場まで一気に下山。しばらくだらだらしてたら近くにいたご夫婦がキュウリと茄子の漬物を恵んでくれたので、3人でボリボリ食べた。キュウリを。ごちそうさまでした。

メガネを失った山川さんが運転するわけにもいかず、帰りは延々僕の運転で帰京。渋滞に巻き込まれたり、豪雨になったりで不快なドライブだった。


山行を終えて

総括

光谷は思った以上に難しい谷で、3級の中でも結構上のほうなんじゃないかと思う。3段40m滝を始めとする滝の巻きや直登の一つ一つが手ごわく、突破にエネルギーを必要とした。その分、遡行を終えた達成感も大きく、完成編としては十二分な内容だったと思う。