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2009前期 沢面 part3

奥美濃 大谷川みやま谷遡行+蕎麦粒山藪こぎ

概要

【日時】

2009年7月3日〜5日(0付1泊2日・予備日1日)

【行程】

1日目:林道終点(入山)〜みやま谷出合〜蕎麦粒山〜CS1

2日目:CS1〜ジャンクションピーク〜林道終点(下山)

【メンバー】

  • 山川(SL/Top/装備)ー根本(Sec/食当)ー原澤(CL/記録/医療/気象/装補)

【概要】

Part3は藪こぎだが、藪経験者が1人しかいないので、藪が薄いこと(あわよくばないこと)を狙って蕎麦粒山からのルートを選択した。みやま谷はここ最近KUWVでは行かれていないようだが、小さいながらもよくまとまった良渓であるとのこと。むしろメインはこっち。


記録

7月3日(アプローチ)

22時過ぎに大谷川沿いの林道との分岐点近くにある道の駅に到着。京都から3時間という意外な近さに驚いた。小雨が降る中、翌日の天候を心配しつつ就寝。

7月4日 晴れ

4:00 起床。

4:20 大谷川沿いの林道終点に駐車。

4:52 出発。

6:25〜36 みやま谷出合でレスト。入渓。

8:06〜8:48 3段12m滝。根本をビレイ。

9:07〜9:18 レスト。

9:41〜10:50 2段30m滝。上段でランビレ。

11:45〜12:04 昼食兼水汲みレスト。

12:45〜13:14 蕎麦粒山でレスト。藪突入。

13:40 1200mポコ。

14:07〜19 1100mくらいでレスト。

14:36〜15:02 CS1付近。よりよいテン場を求めて偵察。

15:06 CS1決定。

18:45 就寝。

起床すると外は晴れ。特に増水もしていないようなので予定通り入山することに。地形図ではみやま谷出合まで林道となっているが、これは何かの間違い。実際はかなり荒れた登山道だった。荒れてるだけならまだしも、この道はヒルの名産地。ヒルが付いているかもしれないという恐怖におびえ、ヒルを払いつつ進まなければならなかった。

不快な登山道を抜けてようやくみやま谷出合に到着し、遡行開始。原生的でいい雰囲気だ。序盤は小滝が連続してシャワークライムを楽しめた。最初のイベントである7m滝+2段8m滝の巻きは、取り付きの壁がちょっと急だったくらいで特に難しくはなかった。

続く3段12m滝は過去の記録ではランビレをしているようだったが、それほど難しそうには見えなかったので根本のみビレイ。右から登り始めて中段で左に移り、乾いた部分を登っていくのが楽だったが、なぜか根本はもろに水線を行って苦労しており、ビレイされているとはいえ見ているこっちはひやひやした。

その後もきれいな小滝やナメ滝が連続し、快適な遡行が続いた。みやま谷は全体的に簾状の滝が多く、さわやかな渓相で遡行意欲をそそられた。

3核心部2段30m滝の大滝は、下段は傾斜が緩く普通に直登。上段はそれなりに立っていたので練習も兼ねてランビレをした。ルートはまず左から登り始めて乾いた岩のバンドを左へトラバース。中段に出てからは左右どちらも行けるが、たぶん右のほうが楽。根本は例によって左を行っていた。ここは滝上との連絡が取りにくく、少し時間がかかってしまった。

その後は小滝以外にイベントもなく、1人4Lの歩荷で詰め上がり。予想通りの急傾斜クソ藪だった。今回の山行で最も藪こぎっぽかったのはたぶんここだろう。

やっとの思いで到着した蕎麦粒山は小さな山頂だった。遡行を無事に終えられた達成感があったが、靴の中から未だかつて見たことのない巨大ヒルが出てきて一気に萎えた。

大休止を取ってさあ藪突入、と言いたいところだったが尾根上には割りと明瞭な踏み跡が続いていた。藪を掻き分けて進むようなところはほとんどなく、「あれ〜?こんなはずじゃなかったのになぁ」と言ってはみるが、これを狙っていた自分がいるので内心ウキウキだった。

そんなわけで、現在地特定はしっかりしつつ快適に進み、あっけなくCS1。16時前に夕立があったがすぐに止み、藪とは思えないさわやかな天気になった。夕食後には藪バージョンの秘密兵器を解放。藪中で飲む炭酸は確かにうまいが、藪がないところで飲む炭酸はさらにうまいなと心の底から思った。

7月5日 晴れのち曇り

3:30 起床。

4:43 出発。

4:55 1075mピーク。

5:26 2km地点。

5:35〜47 ジャンクションピークでレスト。

6:00 2.5km地点。

6:34 3.2km地点。Topを根本に交代。

6:53〜7:06 レスト。踏み跡を捨てて尾根を忠実に下る。

7:34 下山。

昨日よりは藪っぽいものの、相変わらず踏み跡は明瞭である。RFはしっかりやっていたが、それは「進む方向を見出すRF」ではなく「進む方向は100%こっちだけどそれを120%にするRF」だった。「ジャンクションピークはRF難」とレジュメに書いていた自分がほんの少し恥ずかしくなった。

最後のほうでついに踏み跡が尾根方向からはずれるときが来たので、踏み跡を捨てて藪をこぎながら忠実に尾根をたどっていった。藪で踏み跡を捨てるのが全く名残惜しくないというのは初めての経験だ。

その最後の悪あがき的藪こぎも30分で終わり、しかも結局下山地点でさっきの踏み跡と合流。コースタイム6時間50分のところを3時間で下山するというまさかのハイペースだった。

駐車地の林道終点でかなり長いことだらだらしていたが、それでも時間が有り余っていたので、琵琶湖の南回りで帰ることにし、途中の道の駅にある藤橋の湯に入って疲れを癒してから帰京した。


山行を終えて

総括

みやま谷はスケールこそ大きくないが、きれいな滝がたくさんあり、シャワークライムもかなり楽しめて隠れた名渓という感じだった。これでヒルさえいなければ本当にいい谷なのに。藪のほうは、結果的に「藪?えっ何それ?」という感じになってしまったが、まぁそれはそれで2009年のうれしかったことベスト5には入るだろうし、よかったんじゃないかと思う。