【日時】
2009年6月26日〜28日(0付1泊2日・予備日1日)
KUWVTop > 2009年度 山行記録 > 台高 蓮川ヌタハラ谷遡行・赤クラ滝谷下降(escape)
2009前期 沢面 part2
2009年6月26日〜28日(0付1泊2日・予備日1日)
1日目:ヌタハラ谷出合(入山)〜夫婦滝〜不動滝〜稜線(CS1)
2日目:稜線(CS1)〜桧塚〜林道(下山)
諸事情により安原がPartyを抜けたので、経験者の山川さんをTopに迎えて新メンバーでPart2へ。今回の山行は、大滝の巻きを経験することと沢の下降技術を習得することが目的であるが、赤クラ滝谷というKUWVに記録のない未知の沢を下降するという挑戦も兼ねている。
蓮川水系の遡行では100%使われる奥香肌温泉スメールに駐車。日付が変わる前に就寝することができた。
4:30 起床。
5:33 ヌタハラ谷出合付近に駐車。
5:42 入渓。
6:47〜56 レスト。
7:01 夫婦滝。
7:42〜52 夫婦滝の巻きを終えてレスト。
8:58〜9:12 不動滝手前でレスト。
10:07〜17 2段40m滝手前でレスト。
10:53〜11:51 アザミ滝手前で昼食レスト。
12:21〜34 水汲みレスト。
12:40 稜線。遡行終了。1394mピークで幕営(CS1)。
19:55 就寝。
朝食後、スメールから入渓点まで車を回す。他の2人が夜中に雷みたいな地鳴りがしたと言うのでビビったが、聞かなかったことにした。
最初は左岸沿いの仕事道をたどり、ゴルジュを巻いた後で入渓。しばらく小滝が連続して出てきたが、どれも直登や巻きで簡単に越えられた。
さくさく進んでこの谷最大の夫婦滝2段90m。滝下で記念撮影をしたが、ここからでは下段の20mしか見えず、いまいち迫力のない写真になった。この巻きはまず左岸ルンゼから滝横の急斜面に取り付き、うまい具合にジグザグになっているバンドをたどって登っていく。少し傾斜が緩くなってからは尾根上を登っていくが、ここから上段の70mがものすごい迫力で落下しているのが見えた。その後水分補給のできるルンゼを横切り、前の壁を適当に越えるとそこが滝上。結構疲れた。
2つ目の大滝である不動滝40mは上段が飛瀑になっていて、下段を登ると滝の裏側に行くことができる。そこで滝修行の真似事をして遊んでみたが、予想以上の水圧で寒い思いをした。巻きは左岸で簡単。
3つ目の大滝の2段40mも見事な滝だった。今度は右岸巻き。特に難しくはなかった。
最後の大滝はアザミ滝20m。前の3つの大滝を見た後なので少しショボく見えた。時間にかなり余裕があったので、この滝を見ながら昼食を兼ねた大レスト。昼食はラーメンで、たまにはSOYJOY以外のメニューも悪くないなと思った。
アザミ滝を無難に巻くとあとはもう詰め上がり。源流部は詰めとは思えない穏やかな草原で、ここは桃源郷かと思うほど、ではなかったが、それくらいきれいな景観だった。水汲みレストから稜線までがわずか6分というまさに至れり尽くせりな詰めで、なんて沢屋にやさしい谷なんだと感動した。
稜線上のテン場を決めてからは翌日の下降点を偵察。昨年後期の失敗があったのでかなりしつこくRFし、ここだろうというポイントを見定めた。
テン場でしばらく昼寝をしてから夕飯作りに取り掛かったが、ここでEPI缶が終わるというまさかのハプニングが発生。山川さんの機転で、石で竈状の物を作り携帯燃料で米を炊いたが、意外にうまく炊けてビックリした。いい経験にはなったが、事前にしっかりチェックしないとね、と思った。
4:00 起床。escapeを決定し再就寝。
5:00 再起床。
6:05 出発。
6:31 桧塚。
6:57〜7:09 1214m付近でレスト。
7:44 林道に下山。
8:32 駐車地。
起床して外に出てみると雨。3人で相談した結果、未知の沢の下降の危険性がこれ以上増すのはまずいんじゃないか、ということでescapeを決定。再びシュラフへ。
ただ登山道を下るのもつまらないので、根本に読図指導をしながら下りていった。桧塚から先はエアリアにも道がないが、実際はテープが良く整備されていて迷うことなく林道に下山。この頃には雨も上がり、escapeしたことが悔やまれたが、まぁそんなもんだよと自分を納得させた。この林道はかなり荒れていて歩くのが嫌になったが、途中でエメラルド色に輝く30cmくらいの巨大ミミズを発見して無駄にテンションが上がった。
そんなこんなで駐車地まで戻ったが、あまりにも下山が早かったためスメールには入れず、結局温泉なしで帰京することになった。
ヌタハラ谷は、巻きの練習にもなる4つのすばらしい大滝を持ついい谷だった。何より詰めと爽快感という相反する2つの要素が共存しているところに感動を覚えた。赤クラ滝谷を下降できなかったのは残念だが、判断としては間違っていなかったと思う。今後の沢面に機会があればぜひ挑戦してもらいたい。