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2008後期 沢面 完成編

台高 本沢川釜之公谷遡行

概要

【日時】

08年11月2日〜3日 3人 0付1泊2日

【行程】

11月2日:川上辻(入山)―大台辻―釜之公谷出合―CS1

11月3日:CS1−二俣―50m滝―三津河落山―川上辻(下山)

【メンバー】

  • CL・医療・記録:原澤
  • SL・Top・気象・食当:中澤
  • Sec・装備:安原

【概要】

沢の完成編としてスケールが大きく、レベルが高めの釜之公谷を遡行する。全体的に登攀的要素が多く、滝の直登が楽しめる沢である。


記録

11月1日

レンタカーでもうおなじみとなった大台ケ原駐車場へ。天体観測をしている人がたくさんいて少し騒がしかった。23:23に就寝。

11月2日 天気 晴れ

5:00 起床。車で川上辻へ。

6:10 出発。

7:02~12 コブシ峠でレスト。

7:43 大台辻。

8:17~28 レスト。

8:58 釜之公谷出合の吊橋。

9:15 入渓。

10:09~19 2mを登るもその上の突破が困難なため、引き返してその下でレスト。

11:19 2m+4m+7mの核心部の大高巻き終了。

11:27 ゴルジュ内最後の淵。

11:57~12:17 ゴルジュ通過後の開けたところで昼飯レスト。

13:23 2段12m。左側のFixで突破。

13:39 2mの上のCS可で幕営。右岸の段地。

18:35 就寝。

川上辻から釜之公谷出合へ続く筏場登山道は崩壊箇所があるため封鎖中だったが、見えないふりをして通過した。確かに大台辻周辺は荒れてはいたが、崩壊箇所にはトラバースルートが設置されており、言うほど危険ではないような気がした。沢面だからかもしれないが。途中で数Partyとすれ違い、やっぱりみんな構わず来てるんだなぁと思った。

出合の吊橋から谷に降りることは難しく、右岸のテープにしたがって高巻いて入渓。核心部のゴルジュ入口の2mは、それと気づかずに苦労してへつって通過したが、その上の険悪な4mを見て核心部の大高巻きだとわかり、結局降りる羽目になった。このゴルジュの高巻きはさすがに核心部だけあって難しかった。まず右岸の泥壁から取り付くが、これがかなりいやらしく怖かったので、僕がTopを行き後続をスリングで補助した。この泥壁を少し登ると安定した細い段があり、これを下流側にたどっていく。この段が途切れたところから上に登っていき、偵察を繰り返して進んでいくと上手いこと谷への下降ポイントに出られた。谷に復帰するまで約1時間かかったが、まぁスムーズに行けたほうだと思う。

巻き終了後のゴルジュ内最後の淵は左岸高へつりと泳ぎという選択肢があったが、下が淵とはいえ高へつりはかなり怖そうだったので、11月だというのに泳ぐ羽目になった。左岸沿いに泳いで割と簡単に通過できたが、予想通りとてつもなく寒かったし、僕は淵から上がる際に、自分とザックを連結していたスリングとカラビナ2個を流れに食われるという経済的ダメージを受けた。寒さとショックでかなりテンションは下がったが、それでも核心部を抜けるとほっとした。

その後は特にイベントもなく、2段12mも左側にしっかりしたFixロープが数本あり楽に通過できた。ゴルジュ通過後にもCS適地はたくさんあったが、余裕があったので遡行図上のCS可まで進み、右岸の段地で幕営。湿っていたが何とか焚き火を起こし、濡れた服を乾かしながら夕飯を食べて、明日に備えて早めに寝た。

11月3日 天気 曇り時々雨

5:00 起床。

6:15 出発。

6:48 多段10m(?)。左岸巻き。練習のためアプザイレンで谷へ。

8:03~13 14m美瀑上でレスト。

8:18 2条7m。右壁直登。Secビレイ。

9:25~35 多段30m上でレスト。

10:00 2条2段15m。ランビレするも撤退。右岸巻き。

11:11 50m。下段直登、中段から左岸ブッシュを巻く。

11:45~12:17 昼飯&水汲みレスト。

12:48 誤って左ルンゼに入ってしまい、降り返す。

13:00 本流復帰。

13:42~52 三津河落山でレスト。

14:19 川上辻。下山。

出発後しばらくは特にイベントがなかったため、遡行図上の位置がよくわからなかった。多段10mらしきところは左岸を巻き、そのまま普通に巻けそうだったが、練習のためアプザイレンで谷へ下降した。14m美瀑でようやく現在地を把握。これはなかなか見事な滝だったが、高巻きは結構難しかった。左岸ルンゼから巻くが、谷から離れているためどこからトラバースするかがわかりづらい。偵察を繰り返しながら上手く進めば、その上の2mと5mもまとめて巻ける。谷に復帰するとすぐに2条7mが現れる。ここはシャワークライムで行けば簡単そうだったが、僕らは前日の泳ぎに懲りて濡れるのを嫌い、水線右側の岩壁を直登した。なかなか登攀的な感じだったので一応安原を確保。

その後しばらく簡単な小滝が続いてから2条2段15mである。ここは中央を突破するとあったが、フリーで登るのは結構怖そうだったのでランビレをすることに。しかしリスも根もなく、支点を取るのにかなり手こずっており、このままでは逆に危険そうだったのでやむなく撤退。右岸を偵察してみると簡単に巻けそうだったのでこっちのルートを取った。実際右岸巻きは一瞬で終わるので、時間的、体力的にもこちらをお勧めする。

この滝を通過するとすぐにメインディッシュの50m大滝である。空から落ちてくるような迫力と紅葉に囲まれた美しさを併せ持ったすばらしい景色だった。突破法は下段を直登し、バンドから右へトラバース、あとはブッシュ帯を滝上まで登っていくという感じで意外と簡単だった。ただ高さがあるので慎重に進むべきである。

これ以降は何の変哲もない詰めである。途中で誤って左ルンゼに入ってしまったが、何とか気づいて無事本流に復帰することができた。詰めの終盤で登山道へ続く明瞭な踏み跡に出くわし、その誘惑に負けてそちらをたどってしまった。とはいえすぐに三津河落山の頂上に到着し、遡行終了。山頂は遡行してきた谷が一望できるすばらしい場所だったが、風が強く寒かったのでとっとと下りることにした。地形図上に点線はないが、まあまあ明瞭な踏み跡があり、迷うことなく川上辻に下山できた。


山行を終えて

総括、反省

下山後は入之波温泉五色湯に入って疲れを癒してから帰京。無事完成編が終わりましたと言いたいところだったが、最後の最後BOXに着く直前にホイールを縁石にこするハプニングが発生。完成編としてはがっかりな終わり方だった(まぁレンタ屋はスルーだったが・・・)。