【日時】
08年10月12日〜13日 3人 0付1泊2日
KUWVTop > 2008年度 山行記録 > 台高 北股川不動谷遡行・南股谷下降
2008後期 沢面 part2
08年10月12日〜13日 3人 0付1泊2日
10月12日:北股川出合(入山)―不動滝―785m二股―稜線―霧の平(CS1)
10月13日:霧の平(CS1)―1100m鞍部―北股川出合(下山)
Part2はKUWVでよく使われている不動谷と南股谷に行く。不動谷では高巻きやガレ場の通過、きつい詰め上がりを経験し、南股谷では沢の下降技術を習得することを目的としている。
北股川沿いの林道はナビには載っておらず、ナビの矢印は完全に山の中をさまよっていた。ここの夜の林道RFはほぼ不可能であり、過去の記録のお役立ち情報がなければたどり着けなかっただろう。川側に岩壁が出現する所が一番の目印で、その付近に駐車して23:15に就寝。
5:00 起床。
6:00 入渓。
6:20 南股滝。左岸巻き。
7:12~22 不動滝下でレスト。巻きは右岸から。
8:30 ゴルジュ内2m。空荷で泳ぎ、補助ザイルでザックピストン。
8:38~48 16m下でレスト。
9:25 4m。右岸3mから巻き。ザックピストンをし、Secビレイ。
10:00 5m。Secビレイ。
10:26~36 785m二俣でレスト。
11:25~12:05 940m二俣で昼飯レスト。
12:54 稜線。
13:56 霧の平(CS1)。
19:18 就寝。
林道から北股川への下降は踏み跡がわからなかったので急斜面を適当に下った。そこから少し上流に行って右から合流するのが不動谷である。てっきり出合から南股滝が見えるものだと思っていたが、なかなか見えず、違う支流に入ったのかと不安になったが、しばらくすると美しい滝が現れ、ああこれかと安堵した。この巻きは左岸のガレ場を登り、左へトラバースして踏み跡に出たが、この巻き道は北股川本流との出合から続いている。南股滝を見るのであれば、出合まで戻って巻くよりも僕らが行ったような感じで巻くほうが速いだろう。
その後の8mと不動滝25mの巻きは自分の記録帳に悪いとメモしてあったが、あまり覚えてないのでたぶんたいしたことなかったのだと思う。不動滝はスダレ状の美しい滝で、記念写真を撮ったりしてしばらく休憩した。
次のイベント、ゴルジュ内2mはなかなか強烈なインパクトがあった。突破方法は泳ぎ、右岸巻きでアプザイレン、ジャンプの3つがあったが、ジャンプは速攻で消えた。あれはかなりリスキーだと思われる。残る2つでいろいろ話し合ったが、最終的に安原の「泳ぎたいです」の一言で泳ぎに決定した。10月にもかかわらず自ら泳ごうとする安原のメンタルの強さは賞賛ものだが、実際ここは泳ぐのが一番無難だろう。ザックピストンで突破後、わかっていたことだが非常に寒く、安原は恨みを買った。
16mを巻いた後の2mは空荷で立ち木と岩壁の間に挟まるように登っていく楽しい登攀だった。その後の4mは右岸から入る3mを登り、途中から右へトラバースするとあったが、僕らは水流の左側の乾いた岩壁を空荷で登ってから巻いていった。登攀は簡単だが、傾斜がそれなりにあったので安原をビレイ。こっちのほうが楽かもしれない。
続いて5mのランビレ候補地だったが、やりにくそうだったのでSecビレイだけで通過。実際ビレイする必要はないような所だった。これを過ぎるともう二俣を確認していくぐらいしかすることがなくなってくるが、どうも遡行図上の標高が50mくらい前後してずれているようだった。
詰め上がりは聞きしに勝るひどさで、かなりの傾斜と砂質の地面で進んでいる感じがしなかった。それでも何とか稜線にたどり着いたときには3人ともかなり疲れており、ちょっと長めにレスト。そこからは1ピッチで霧の平のCSに着いたが、予想外に早かったのでのんびりしたり食材を切ったりして天気図まで時間をつぶした。気象係は天気図の前に既に結構飲んでいた。夕食後、秘密兵器を楽しんでから就寝。
5:00 起床。
6:18 出発。
6:36 下降地点の偵察。
6:54 下降開始(実際には本来の地点よりかなり手前の1166m手前鞍部)。
7:57 850m二俣で本流に合流し間違いを確認。下降を続行。
8:52 25m。右岸巻き中にアプザイレン。
9:41~51 斜15m下でレスト。
10:34 20m。右岸巻き。
10:51 樋状6m。安原のみウォータースライダー。
10:52 南股滝上。左岸巻き。
11:23 下山。
出発後20分くらいで下降地点と似た地形のところに来たので偵察することに。よくよく考えれば、時間的に速すぎたし、それほど明瞭な鞍部でもなかったのだが、いかにもな感じの看板があったこと、後ろから来た中高年Partyに「南股谷はこの辺じゃない?」と言われたことなどからこの場所(1166m手前鞍部)を下降地点と判断してしまった。ここではもう少し先に進んでRFし、最悪馬ノ鞍峰を確認してから戻るくらいの気持ちで慎重になるべきだった。
下り始めてからも方向が怪しいと思いつつ、Topを止めることなく進んでいってしまった。下降図の滝が出てこない、妙なクライムダウンがある、方向が違うといった間違いを確認する要素があったにもかかわらず下り続けた結果、到着したのが850mの二俣である。左から出合った流れには20m滝がかかっており、こちらが本流であることは疑いようがなかった。現在地を確認した後、自分の愚かさに茫然となったが、ここまで来てしまったらもう下降を続行するしかない。とはいえ既にイベントの2/4をすっ飛ばしているのでモチベーションは急降下していた。
この先は非常にゆるやかな平流で、朝日を浴びた美しい秋の河原の風景だった。もし正規ルートを来ていたのならこの穏やかな流れに心癒されたことだろうが、何のイベントもなくここまで来た僕らには何の慰めにもならなかった。この平流がしばらく続いた後、ようやく現れたのが25m滝である。ここは右岸を普通に巻けるが、少しでも下降の練習になればと巻き途中の崖でアプザイレンをした。
これ以降もたいしたことなく、20mの巻きも急ではあったが普通に下りた。不動谷出合手前の樋状6mでは、安原がウォータースライダーをやりたいと言い出し、またまたメンタルの強さを見せつけた。これは実際なかなかおもしろそうだったが、10月にやる気にはなれなかった。
あとは昨日も通った南股滝の巻き道を、今度は北股川本流まで続くテープに忠実に下りていき、林道への急斜面をよじ登って下山。帰り支度をしていると、近くの沢に個人山行で行っていた先輩方がどんぴしゃのタイミングでやって来て差し入れをしてくれた。先輩方は入之波温泉山鳩湯に入ってきたと言っていたので、僕らもそこへ寄ってから京都へと帰っていった。
今回は遡行も下降もあまりいい思い出にはならなかったが、登山道のRFも丁寧にする、方向が怪しい思ったら面子を止めて話し合い、間違いに気づいたら引き返す、などといった教訓(といっても超基本的なことであるが)は多く得られた。そういう意味では非常に中身の濃い山行になったと思う。