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2007年度後期 個人山行

台高 往古川真砂谷遡行

概要

【日時】

07年10月5日〜10月7日 単独 前夜泊1泊2日

【行程】

10月5日真砂谷入渓地点で零付(前夜泊)。

10月6日入渓-4時間-八町滝(高巻き40分)-45分-30m滝-(巻きと言う名目の登攀20分)-50m滝(高巻き30分)-15分-飯場跡(CS1)

10月7日CS1-20分-詰め上がるガレルンゼー10分-杣道-1時間-林道-40分-堂倉小屋-1時間45分-日出ヶ岳-25分-大台ヶ原駐車場


記録

10月5日 移動日&零付

研究室のゼミ終了後に準備をして,京阪で枚方市駅へ。そこで送迎をお願いしておいた赤い車に乗り込み,一路三重の海山町へ。6時間ほどで入渓地点である,大台林道のヘアピンカーブ(真砂谷が往古川に出会うところ)に到着した。ここで荷物を降ろし,赤い車とはお別れ。一人で林道のど真ん中で寝た。

10月6日 晴れ後曇り

5:24に起床。前日に買っておいた朝食のパンを食べる。6:04に出発。うっすらと踏み跡が続いていたので,5分ほどですんなり谷底へ。ここで本流を渡り,真砂谷へ入る(6:11)。最初はゴーロだが,たいした事は無かった。遡行開始から30分ほどで,最初の20m滝に到着。ここは左岸のガレ斜面を登り,上の岩壁を左上するバンドを辿って尾根を越え,最後は急なルンゼを下る。

次の20m滝の下でレスト(7:07〜7:22)。この滝は,すぐ上の20m滝と一緒に左岸から巻いた。巻き自体は簡単だが,最後は滝の落ち口に出るので少し怖い。この滝場を超えるとゴーロになる。この辺りは岩が大きく,空荷でないと登れないところもあった。ザックを押し上げたり,踏み台にしたあとスリングで引き上げたり,結構苦労した。この先、途中で水が伏流してしまうところが在るので注意。

9:32〜46には標高560mの二股でレストを取る。ここから一気に傾斜が強まり,遥か上に八町滝が見える。この先、かなり急傾斜のゴーロが続くが,八町滝直下には15mの滝がかかる。この滝は左の乾いた岩を登るが,上の方はホールドが細かくて嫌らしかった。ザイルを出す方が無難かも知れない。10:29に八町滝の下に到着。落差100mの滝だけあって見事。下で昼食をとりつつ,ケータイで記念撮影。海が見えるなーと思っていたら,ケータイにメールが入ってびっくりした。急傾斜である上に滝の下が開けているためだろう。沢中で電波が入るのは珍しいので,記念にmixiを更新した。

10:59から八町滝の高巻きをスタート。滝の左にある樹林帯を登る。右岸に入ってくる涸れ沢から取り付き,少し登ったところから樹林帯へ。あとはひたすらに真っ直ぐ上へ。立木を掴んで強引に登る。垂直に近い岩壁が出てきても構わず登る。落ちたら死ぬなーとか思いつつ登り続けると,細い尾根に出た。少し尾根を登るとトラバースする踏み跡があったので,それを辿るとすんなり滝の上へ出た。巻き終了は11:38。少し上流まで歩いてからレストを取る(11:52〜12:07)。

少し登ると谷は狭まり,12mほどの滝が行く手を遮る。この滝は左側から登れるという事なので挑戦してみたが,落ち口に出る最後のところが微妙にハングしていて怖い。強引に踏み込めば行けるとは思ったが,体が振られてしまいそう。落ちたら死ぬのは明らかなので,ここはおとなしく左岸から巻いた。その上のゴルジュ内の滝も,全て細かく左から巻き上がる。

12:39、30mの滝の下に到着。ここは巻きが難しいと言う事なので,下でレスト(〜12:49)。30mの滝は,滝の右手のルンゼを登るとの事だったが,実際に行ってみるとただの岩溝だった。他に突破ルートも無いようなので,突っ込む。10m位登ると傾斜が強まり,木の根を掴みながらの登攀となる。更に登るとチムニー状になり,グネグネと這い進む。落ちたら下まで真っ逆さまなので,かなり精神力を消費した。ここもザイルがあった方が良いだろう。13:07、巻き終了。すぐ上流に二段50mの滝が落下している。疲れたので,ピッチは短いが少し休憩を挟む(〜13:20)。

50mの滝は,少し下流の右岸の岩壁の切れ目から樹林帯に上がり,滝の落ち口へ向かって斜めに登る。ここも傾斜が急で,立木を掴みながらの登攀。きつい登りの連続で腕が疲れた…。13:48、滝の落ち口に出て巻きは終了。

ここから先は特に難所は無かった。すぐ上の二俣で右の支流に入り,しばらく進んだところの飯場跡で行動終了とする(14:03)。ツェルトを張り、夕食を食べた後は寝袋に入ってゴロゴロしていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。

10月7日 曇り一時雨

夜中に雨がぱらつき,気温も下がった。4時半に起きたときには,ツェルト内は雨漏りと結露でビショビショ。さっさと朝食を食べて撤収し、進むことにする。5:40、行動開始。平坦になった小川を進む。6:02、沢が西に向きを変えたところで,左岸のガレた谷を詰める。6:11、杣道に出た。通常は東に進み、大台林道に下山するらしいが,今回は迎えの赤い車が大台ヶ原に来るので,西の堂倉谷へ向かう。

6:17〜25、暑くなったので休憩。着替えた。6:40、一面が苔で覆われた広場に出た。どうやら分水嶺のようだ。杣道はここでプッツリと途切れている。仕方が無いのでコンパスに従って西北西に進む。分水嶺を越えて谷沿いに少し下り,左の尾根に乗って更に下る。この尾根は途中でガレた谷に降りてしまったが,谷は見た感じ普通に歩けそうだったので,そのまま下る。

7:21、大台林道に到着。崩壊した林道に出た。地形図状の点線道を外さずに下れたようだ。8:06?16に堂倉小屋の下で休憩。ここからは登山道で大台ヶ原を目指す。疲れた体に標高差550mの登りはきつい…。

9:02〜09の間レストを取り、9:56に日出ヶ岳山頂に到着。大台ヶ原の最高地点であり,日本百名山にも数えられている山だが,ガスが酷くて景色は全く見えず,何の感慨も湧かなかった。10:05まで休憩。10:29、大台ケ原駐車場に下山。昼食を食べたりビジターセンターで遊んだりして時間をつぶす。

下山後

迎えの赤い車は13時前に到着したが,なぜか中には運転手のMさんの他に麗しきマダムが2名。どうやらMさんの家族の方が大台ヶ原の散策に来たらしい。挨拶もそこそこに,Mさんご一行は散策へ,俺は車の中で爆睡していた。Mさんご一行が戻った後は,赤い車で京都へ。途中夕食をごちそうになった。ありがとうございました。


山行を終えて

総括

往古川真砂谷は手強い谷だった。ゴーロの突破には体力を使うし,大滝の巻きはどれも難しくてしんどい。9月に行った白川又岩屋谷と同等の難しさだったように思う。かなりレベルが高い遡行ができたので,満足している。