2007年度前期 縦走面 森戸PartyPart3

北アルプス 猿倉〜白馬岳〜栂池

【日時】
2007年8月5日〜8月6日 0付1泊2日 予備日2日(行1完1) 3人

【メンバー】
CL:森戸,SL:宮城,装備:安達

【行程】
4日(0日目):京都−松本−白馬(CS0)
5日(1日目):白馬−猿倉(入山)−小日向ノコル−白馬鑓温泉−天狗荘(CS1)
6日(2日目):天狗荘−鑓ヶ岳−白馬岳−小蓮華山−栂池(下山)

【概要】
  Part2の後、Part1に参加できなかったアナさんのトレーニングのために前田先輩、平澤先輩にお願いして四国練成PWに行ったりした。留学生の帰国や他のメンバーのスケジュールを調整してPart3とその先の合宿の日程を組んだりもした。合宿前最後の予備合宿Part3は北アルプスの白馬岳。もちろん当初は5人で登る予定だったのだが、八月第一週のワンチャンスというタイトなスケジュールに狙いすましたかのような台風の接近で一連の計画もあっけなく吹っ飛んでしまった。安達の経験値を上げるにはまだPart3は意味があるし、純粋に白馬岳に登りたかったので、日本に残る3人で長野に向かった。行程が短かったので満足したとは言えないが、気持ちいい夏山を味わえた。

8月4日(土)
14:00 京都発
20:30 松本着 松本ぼんぼん
22:50 白馬着 STB

   台風が長野上空を通過するのに合わせて京都を出発する。京都から名古屋、中津川、塩尻、松本と乗り継ぎを繰り返し白馬駅を目指す。中央本線に乗るのも5回目か。青春18切符のおかげで安く電車に乗ることができるのだが、青春18切符を使う時は7,8時間電車に乗り続けることが当たり前なので、乗り鉄でもなければ誰しも電車に揺られているのが耐えられなくなると思う。辺りが真っ暗になると中央本線など景色が黒一色になってしまうので寝るか持参の本を読むかのどちらかしかない。ひょっとするとJRも18切符を売ることで、特急や新幹線の便利さを暗に示しているのかもしれない。
 松本では八月第一週の恒例行事、松本ぼんぼんが行われていた。1回生の頃にも松本ぼんぼんが行われているときに松本駅に来たことがあるのだが、何もみることなく通過してしまった。今回駅から出てはみたものの、少ない乗り継ぎの待ち時間で満足に祭りを見ることなどできず、ひしめく観客を避けて松屋で夕食を済ませるのがやっとだった。
 白馬駅に着いたのは23時前。終電まで時間があるので駅周辺をぶらつくが、駅から離れるとペンションがぽつぽつとあるくらいで、20分歩いてローソンを見つけたところで引き返して駅寝(STB)をした。

8月5日(日)曇り時々晴れwith暴風
5:00 起床
6:15 猿倉着&出発
  7:51 小日向ノコル
9:43〜10:40 白馬鑓温泉 温泉or足湯入浴
13:06 主稜線に乗る
13:25 天狗山荘(CS1)
17:00過ぎ 夕飯 京大OBに遭遇
18:30 就寝

   5時起床。朝食を済ませてタクシーで猿倉を目指す。計画の段階で分かったことなのだが、猿倉の標高がおよそ1200m。我々3人がPart2までに登った最も高い標高の山である高見山よりも高い。入山口の段階でさすがは北アルプス、近畿の山が実にちっぽけに思えるほどのスケールである。入山連絡を済ませ、登山届を出し、いよいよ出発である。猿倉は大雪渓を登る登山客が大勢いたが、鑓温泉を目指す人はあまりいないようで、我々のパーティーはさくさく進んで小日向ノコルに到着した。コルからしばらく歩くと雪渓が現れ、森林限界を越えるといよいよアルプスらしくなった。こちら側の雪渓は大雪渓にはとても及ばないが、大小3つの雪渓があった。最初の2つの雪渓は横切るように道がついていたが、最後の雪渓は鑓温泉の直前で、雪渓に沿うように急な登りをこなしながらの通過だったのでさすがに疲れた。
 もともとアナさんがいることを想定したPart3の行動計画だったので、野郎三人ではコースタイムが縮まる縮まる、10時前に鑓温泉に到着した。鑓温泉では昼飯がてら大休止をとる。宮城さんはせっかくの温泉だから、と露天風呂に入りに行かれた。CLと安達はカラスの行水ばりに素早い入浴はできないので、足湯に浸かるだけにする。鑓温泉は標高2,100mという高所で最大の温泉湧出量を誇るらしく、浴槽からあふれ出した温泉が雪渓を溶かしていく様は趣があった。
 鑓温泉以降も急傾斜が続く。この辺り、アルペンガイドやエアリアには鎖場注意などと書かれているが斜度のほうが厄介だった。途中何度となく休憩を取りながら13時過ぎにメインの稜線に辿り着いた。台風の通過にタイミングを合わせての入山だったのだが、台風の影響はまだ残っていたらしく、稜線に出た瞬間から強烈な偏西風が吹きつけてきた。稜線でゆっくりせずこの日のテン場である天狗山荘に移動。この日は結局夜中まで強い風が吹きつけ、4テンがさながらプリンのように揺れていた。あと、この日の夕食時に山荘の食堂で京大のOBの方に出会い、ビールを御馳走になった。ありがとうございます。。

8月6日(月)快晴のち曇り
3:30 起床
4:24 出発
5:13〜29 鑓ヶ岳山頂
6:08 杓子岳山頂
7:14〜24 白馬山荘 水汲み
7:40〜8:34 白馬岳山頂 昼寝
9:38 小蓮華山
9:40〜10:25 昼飯
11:15 白馬大池
12:03 乗鞍岳
12:36 天狗原
13:18 栂池平 林道歩き開始
14:25 ロープウェイ駅前 ロープウェイ使用
15:00 栂池 下山

   昨日のコースタイムの縮まりようから、この日の内に下山できそうだった。寝る前に話し合ったところ、他の2人も下山できるならそうしようという意見だったので、朝早くから行動する。出発後まもなく空が白み始め、鑓ヶ岳山頂で御来光が現れた。
 アルプスとワンゲルが普段登っている近畿の山はそれぞれに異なる魅力のある山だが、アルプスの場合、森林限界を越えたところから望む御来光の美しさが一番の魅力だと思う。森林限界を越えて瓦礫ばかりの荒涼とした大地を踏みしめ山頂へとのぼり、眼下の雲海からゆっくりと昇ってくる太陽を眺めるのは幻想的で、これぞアルプスといえる瞬間である。
 山頂での記念写真を取ると、白馬岳へ向けて歩き出した。昨日は稜線を目指して登ってばかりだったが、稜線に乗った今日の行程は抜群の展望を味わいながらのピーク巡りとなる。これもアルプスならではと言えるだろう。白馬岳までの途中で通過した杓子岳では一輪のコマクサが咲いていた。時期的にもう終わっていると思っていたので見れて嬉しい。白馬岳に到着したのは7時半過ぎ。昨日と同様さくさく進めたので山頂では1時間近く昼寝(というか朝寝?)をした。その後は小蓮華山、CS2予定地の白馬大池を昼前に通過し、白馬大池以降のゴーロ帯もさほど時間がかからず栂池平まで降りて来れた。
 栂池平からはゴンドラとロープウェイを乗り継げば下山地の栂池に降りられるのだが、せっかく時間もありので、お金を浮かせる目的で林道歩きを始めた。林道歩きとは山の麓から延びる車道を交通機関のあるところまで歩くことなのだが、人によって好みが別れるところかもしれない。実際同回生の松尾などは嫌いだが、下山地までもうすぐというところから最後のひと踏ん張りを歩くのが好きか嫌いかが好みを分けているのだと思う。CLなどは山に比べるとスピードが出るのでわりと好きなのだが…。
 ともかく栂池へ向けて歩き始めたが、林道歩きが嫌いなのかはたまた体力の限界か、安達のスピードがあまり上がらず、ゴンドラの終着点までずいぶんと時間がかかってしまった。先はまだまだ長く、2時間ぐらい歩きそうだったので、ここからはロープウェイに乗って15時に栂池に下山した。

【下山後】
 下山後、栂池にある温泉に入り、白馬駅で打ち上げをした後、信濃大町駅まで移動して後0をした。翌日は正午過ぎに京都に帰り着き、前期の予備合宿は幕を閉じた。

【まとめ】
 前期に結成した我がパーティーの山行はこれで以上なのだが、せっかく作った合宿の計画を無駄にはしたくないと個人山行で南アルプスに行ってみた。ただ、これは個人的に黒歴史な山行なので、このような形の記録を書くことはないだろう。
 前期の山行全体を通した感想・反省としては、全員で山を登るための日程調整が大変だったわりに予備合宿が満足に完成させられなかったことが非常に残念だった。問題は全員で登ることに拘りすぎたこと、抵抗勢力を説得できなかったことか。しかし、マネジメント能力は山以外でも将来的には必要な能力。今回は失敗してしまったが、挫けずに再挑戦していきたい。


文責:森戸

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