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2007前期 沢面練成PW2

台高 光谷左又下降・右又遡行

概要

【日時】

07年4月28日〜29日 2人 1泊2日(計画段階では二泊三日予備日二日)

【行程】

1日目:大台ケ原-(0:25)-尾鷲辻-(2:26)-左又下降点-(2:09)-二俣(CS1)

2日目:二俣-(0:52)-3段40m巻き始め-(1:42)-巻き終わり-(1:03)-100m滝下-(2:01)-CS2予定地(奥の二俣)-(1:11)-稜線-(2:19)-尾鷲辻-(0:31)-大台ケ原

【緒言】

今山行の目的は、岩田に沢経験を積ませ、彼が今期の沢面リーダーを務める事が出来る様にする事である。その為に、3級の沢である光谷右股を遡行対象とした。光谷までの林道は、2007年現在使用不可能であるため、大台ケ原から入山し、光谷左股を下降した後右股を遡行する計画となった。この計画は、完成編としても充分に使用可能である事をここに明記しておく。


記録

4月28日 曇り時々雨

出町柳から電車を乗り継ぎ、近鉄上市駅で岩田と合流。朝一の大台ケ原行きのバスに乗り込む。10:11、予定通りに大台ケ原に到着した。入山連絡を済ませ、いざ出発…しようとしたら、大台ケ原ビジターセンターの職員に呼び止められた。コースを聞かれたのできちんと説明すると、下山したら連絡して欲しいとの事。理由はよくわからなかったが。10:30に入山した。

尾鷲辻(おわせつじ)までは、大台ケ原周遊コースなのできちんと整備されていて歩きやすい。今期の計画等を二人で話しながら歩く。10:55には尾鷲辻に到着。ここから尾鷲道に入るのだが、尾鷲道は整備がほとんどされていないため、非常に歩きにくい。倒木が道を塞いでいたり、踏み跡が錯綜していたり、斜面が崩壊していたりで難儀した。テープもまばらで、登山道としてはかなり悪い部類に入るだろう。途中で一度間違えて北西向きの支尾根に入ってしまったが、すぐに気付いて修正できた。やれやれ。二回の休憩を入れて、光谷の左又下降点に到着したのは13:44。尾鷲道終盤では強風が吹き荒れ、砂が舞ってなかなか大変だった。

下降点からは、光谷左股をすいすい下る。俺は以前一度下降した事があるのだが、あまり面白くない谷だ。滝は少ないし、ゴーロはむやみに急傾斜で歩きにくいし、水も少ないし。まぁ光谷に入るには、現在はこのルートしかないのだから仕方あるまい。16時前に天気図を描くためにレストをとったが、ラジオの調子が悪いのか、地形の問題なのか、天気図放送を拾えなかった。仕方がないので、22時の天気図を描く事にして前進する。16時半に初日のテン場、光谷の二股に到着し、この日は行動終了。釣り具をおいてきたので魚は釣れず、特に濡れてもいなかったので焚火は行なわなかった。二人でおとなしく夕食を作り、19時半に就寝(天気図はちゃんと取りました)。

4月29日 快晴

4:00に起床し、5:26出発。よく晴れていて、放射冷却のためかなり寒い。行合(ぎょうあい)の前で軽くレスト。行合というのは両岸が切り立った岩壁で、且つオーバーハングしているところ。上の方でまるで接触しそうになっていると聞いていたので、けっこう楽しみだったのだが、実際はしょぼかった。下の淵は股まで浸かれば通過できるが、右岸へつりの方が面白い。6:28に、三段40m滝の下に到着。ここから一気にゴルジュ帯を巻く。まずは滝の向かいのカンテに取り付き、大きな穴の下で右手のガリーにトラバース。ここはけっこう難しかった。経験が浅い人にはザイルを出してあげたい。底からは、ガリーを登って上に続くルンゼに入る。ルンゼをかなり高く登り、右手の岩壁が切れるところから尾根の上に移動。尾根上を更に登ると、見晴らしの良い岩のピークに出る。ここからは周囲の山々が一望でき、気分が良い。右の方には30mの滝が見えているので、そちらに向かって尾根から下り、最後はルンゼにアプザイレンして巻きは終了。丁度30m滝の下に出る。今回はワンゲルの情報が無かったため、1時間半以上時間がかかってしまった。

30m滝を左のブッシュ帯から超え、ゴルジュの中の二段10m滝を左から小さく巻く。そしていよいよ100m滝である。水が少ないためか、思ったより迫力は無かった。だが、すごい高さから流れ下る滝の様子は美しい。ここは、まずは左の乾いた岩から登り出し、30mくらい登ったところでシャワークライムをして滝の右側に移る。その後はカンテ上を歩いて、割とあっさり突破する事が出来た。

100m滝のすぐ上には、幅広のナメ滝二段40mが待ち構えていた。遡行図では右側を直登となっているが、傾斜がきつい上にホールドが少なくてちょっとそれは難しそうなので、右手の岩とブッシュの境目辺りを、ブッシュを利用して登った。この滝の上は日当たりが良くていい雰囲気だったので、お昼御飯とした。やはり晴れた沢は気分が良い。

ナメのすぐ上の滝は左から、その上の滝はゴルジュごと右から巻いてさくさく進む。12時前には予定していたテン場に到着した。情報が無く、地形図からテン場があると予想した場所だったのだが、読み通り快適そうなテン場があった。しかし、時間がまだまだあるので、この日のうちに下山する事にした。ここから先は特に難所も無く、13時半に稜線に到着。尾鷲方面から来ていた地元の人がいたので、しばらく立ち話をしてから縦走を開始した。行きで通った道であるのでぼんやり歩いていたら、尾鷲辻の手前で道を間違えてしまった。尾鷲道の旧道の方に入り込んでしまったらしい。しばらく戻り、斜面の上の方にテープを発見して一安心。沢を離れると沢面は油断しがちになるが、気をつけねば。

尾鷲辻に到着したのは17時前。だんだん薄暗くなってきていたためか、鹿が沢山いた。一匹がほんの2mくらいまで近寄ってきたので、捕まえてみようとしたが失敗。やはり野生動物はなかなか捕まえられないなぁ。そこから先は、前述の整備された道を通って、17:29に下山した。

下山後

下山時刻が遅かったため、最終バスはもう行ってしまっていた。仕方が無いので、ヒッチハイクを敢行。数台目の車の家族連れの方が、快く我々二人を六田駅まで送ってくださった。人の温かさに触れられ、良い思い出となった。