2006年度後期 縦走面 森戸Party Part2

石鎚山系 保井野〜堂ヶ森〜石鎚山〜瓶ヶ森


【日時】
2006年11月2日〜5日 船内泊付2泊3日 予備日3日(行2完1) 3人

【メンバー】
CL:森戸,SL:松尾,他:冨士

【行程】
3日(1日目):保井野(入山)−堂ヶ森−二ノ森−二の鎖小屋(C.S.1)
4日(2日目):二の鎖小屋−弥山&天狗岳Piston−土小屋−瓶ヶ森−瓶ヶ森ヒュッテ
5日(3日目):瓶ヶ森ヒュッテ−瓶ヶ森ご来光Piston−菖蒲峠−西之川(下山)

【概要】
  後期縦走面の予備合宿Part2は四国の石鎚山系。石鎚といえば京大ワンゲルの新歓PWで毎年のように行くのだが、このメンバーは皆なぜか二回生の後期になっても石鎚を歩いた経験が無く、CLの脳内で思いついた瞬間に行くことを決定した。石鎚山は西日本最高峰である天狗岳を有し、日本百名山に指定されている。たとえ山頂から1時間半歩いたところまで車道が延びてきていたり、登山道の脇を車道が並走していたり、ロープウェイが整備されているとしても、百名山は百名山である。
さて、Part2では2泊3日の行程を組むのだが、過去の記録をみると1泊2日の新歓PWの記録が多くを占め、2泊のコースは二つしかない。しかも片方は去年先輩のMさんが計画したコースで、11月の日照時間の少ないこの時期に11時間行動という無謀さ。結局選択肢は一つ、石鎚山系の西側から入山して瓶ヶ森から北に下るコースを計画した。結果は好天に恵まれ笹原の広がる四国独特の山歩きを楽しむことができた。

11月2日(木)
21:40 大阪南港集合
22:40 フェリー出発
25:00 就寝

  四国への交通手段は高速バス、JR、フェリーなど数多くあるが、フェリーは寝ている間に移動できるし、バスと違って寝転がれるのでフェリーを選択した。東予港から無料の連絡バスも出ており、これも便利である。大阪南港へは現地集合にしたのだが、切符をまとめて持っていたCLが遅れかけたため危うく乗れなくなるところだった。
船内をひととおり探検。甲板に出てみると、大阪の夜景が綺麗だった。新歓では甲板で寝たという話を聞いていたが、11月ではさすがに寒いし混雑しているわけでもないので船内へ撤退。その後はロビーの廊下で酒を飲みながらだらだらしゃべりながら過ごした。25時ごろ消灯となり、就寝。

11月3日(金) 晴れのち曇り
6:10 東予港着。 無料連絡バスに乗り換え。
6:40 JR壬生川駅前。
8:30 保井野。
9:30 登山口。入山。
10:29〜41 レスト。
11:47〜12:20 梅ヶ市分岐。昼食レスト。
12:57〜13:09 堂ヶ森。
14:34〜49 二ノ森着。
15:54〜16:23 天気図レスト。
16:52 二の鎖小屋(C.S.1)着。
19:30頃? 自然就寝。

  東予港には6時過ぎに到着。バスを乗り継いで保井野まで移動する。途中、所々にみかん畑が広がっており、さすがは愛媛とちょっと感激。保井野でバス下車後、30分ほど歩いたところに入山口があった。最近バイオトイレが整備されたらしく、バイオトイレの説明書きがあった。
 石鎚山は海に近い割りに標高が高く、ほとんどの登山口から稜線へは1,500mの急登がある。保井野からは2泊分の装備を持って2時間強で稜線まで登ることができたのだが、松尾などは途中の急登で完全にバテていた。途中で休もうにも、急登の途中に休める場所を探すのが難しい。稜線まで常に登り一辺倒で、平坦な場所やピークが少ないのも石鎚山の特徴だと思う。途中通過した水呑場は案の定枯れていた。ダラダラと梅ヶ市まで登って昼ごはんにする。梅ヶ市から40分ほどで堂ヶ森に到着した。堂ヶ森は森と名がついているが、実際は広い笹原だった。あまりに広いためか、先頭の松尾は道を間違えていたが…。堂ヶ森には2〜3人の登山者がいたが、堂ヶ森から全員引き返してしまった。天気図レストを挟んで16:52にテン場に到着。3張のテントがすでに張ってあり、良いテン場は取られていたので我々は狭いスペースを見つけてテントを張る。この日のコースタイムは7時間弱で、日の短い時期でテン場に辿り着けたことの安心感から夕飯もそこそこにCLは眠ってしまった。天気図のチェックや夕飯の後片付けをほったらかして眠ってしまったので、他の二人も呆れたことだろう。(ところで睡魔に襲われ意識が朦朧とした状態で記録の最後に書き記した言葉があるのだが、「ヒゲ伝染」って何?)

11月4日(土) 曇りのち晴れ
4:30 起床
5:56 石鎚Piston出発
6:29 石鎚山頂上
6:59 天狗岳山頂
7:41 二の鎖小屋出発
8:48〜9:01 土小屋
9:53〜10:04 よさこい峠
11:28〜11:44 レスト
11:52〜12:28 子持権現山直下 昼食レスト
13:08 瓶ヶ森男山
13:21〜56 瓶ヶ森女山 レスト
14:21 瓶ヶ森ヒュッテ(C.S.2)
19:00 就寝

 標高の関係もあるだろうが、この時期はさすがに冷え込んだ。昨日CLが全てを放棄して眠ってしまったために朝にご飯を炊く。しかし朝食のメニューは「お茶漬け」。せっかく炊いたご飯になにが悲しくてお茶漬けにしなくてはならないのだろう。そう思ってCLは白米だけを食べ始めたのだが、他の二人はこの食べ方が嫌らしく、不味いお茶漬けを食べていた。
 気を取り直して石鎚山へPiston開始。石鎚山は二の鎖小屋から鎖場と巻き道の二つのコースがあり、まずは鎖場のほうに挑戦。しかし早朝なので岩や鎖が非常に冷たい。二の鎖は斜度が緩やかなので何とか登りきったが、三の鎖の斜度を見たとたん…、その…、巻き道で頂上に到着。ご来光目当ての早朝ピストンなのだが、曇りがちの天気のせいで朝日は見えず、しばらく頂上や天狗岳で粘ったもののあきらめて引き返してしまった。ここから先瓶ヶ森まで特に面白いイベントもなく、実にあっさりとこの日の行程をこなし、瓶ヶ森に到着する。瓶ヶ森では太陽も顔を出し、明るい日差しのもと女山で記念写真を撮った。瓶ヶ森には駐車場があり、山頂だけに人が大勢いた。瓶ヶ森ヒュッテに到着したのは14時過ぎで、他に誰もいない。快適なテン場作りを目指そうと石をどけたり、石を掘ったりして無意味に時間を過ごしたのを覚えている。この日は19時に就寝した。

11月5日(土) 晴れ
4:30 起床
5:11 瓶ヶ森Piston出発
5:33 頂上
5:56 下山開始
7:00 登山道崩壊
7:26〜31 菖蒲峠
8:19 東ノ川林道
8:45 バス停 下山
10:00 西条駅
19:30 大阪着

   この日も4時半に起床。朝食を素早く済ませ、瓶ヶ森のご来光Pistonへ出掛ける。夜明け前に山頂に到着し、寒さに震えながらもご来光を待つ。待つこと5分、一筋の光で辺りが明るくなるが、何かおかしい。雷だ!星も見えているような天候だったが、突如発生した雷雲が次第に近づいてくる。まさか雷に打たれることはないだろうとは思いはしたが、東の空は黒い雲に覆い隠され、ご来光も見えそうになくなって山頂で粘る必要がなくなってしまった。今回もご来光は無理だとあきらめ、引き返す。晴れれば絶好のご来光ポイントなだけに、非常に残念。
 テン場に戻って準備を整え、下山する。今回下山に使用した道は人がめったに通らないルートなので、ちょっと解説しておこう。一般的には瓶ヶ森から西に下って西之川に下りるとコースタイムも短いし整備されているので歩きやすい(ただし急登はある)。今回歩いたのは瓶ヶ森から北上するコースで、途中に菖蒲峠と呼ばれる峠を通過する。このルートはネットの検索でもあまりヒットせず、情報も少なかった。わざわざ時間のかかるコースを選択する人などいないのだが、西に下りると三日目のコースタイムがあまりに短くなるので、苦肉の策で北上したのである。人が歩いていないコースを歩いてみたいという冒険心がなかったわけではない。ただ、人跡未踏の所を歩きたければ四国の藪なり何なりに行けばいいわけで(四国藪に行きたいわけではない)、しかも、このコース選択はあまり感心できるものではなかった。
 まず、北上コースの入り口は黄色と黒のトラロープがはられていた。トラロープでなくても、普通このようにロープが張ってあれば一般登山者なら通行不可能と判断するだろう。しかし、我々はあろうことかこれを無視して乗り越えてしまった。このときの心理状態は今でも自分で理解できない。たしか、ご来光Pistonを早めに切り上げてしまったので、急げば始発のバスに間に合うかもしれないと思っていたはずである。それと同時に、ここまで来たなら計画通りのルートで貫徹したいとも思っていた。だが、それだけの理由でロープが(しかも二重に)張ってあるところを、乗り越えていける無謀さには自分でびっくりである。冨士なんかは乗り越える前に再三「大丈夫か?」などと言っていたのに…。
 結局突っ込んだ登山道は案の定トラバースが始まるところで崩壊していた。赤テープで別の道がつけられていたが、崩壊箇所の下を通るので、雨が降っていて地面が緩んでいれば危険度は高いかもしれない。その後の登山道は林道の工事箇所や真っ暗な植林帯を通っており、あまり気持ちの良い道ではなかった。8:45にバス停に辿り着き、下山。

【下山後】
 西之川の温泉は営業時間外なので伊予西条駅で降りて近くの銭湯「武丈の湯」に行く。平成13年にできた新しい銭湯で、露天風呂なんかもあって気持ちよかった。帰りは高速バスで大阪まで行き、梅田駅前で打ち上げをした後、解散した。


文責:森戸

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