05年度沢メン西表合宿Part1(沢)

西表島「ギンゴガーラ〜仲良川〜クイラ川〜大浜」

4泊5日行2完1、4名
日程:3月6日入山、3月10日下山


3月6日 晴れ後雨
行程(時間は休憩を含まない)
軍艦岩船着場
 ↓ 25分
マリュドゥの滝展望台
 ↓ 15分
カンピレーの滝
 ↓ 15分
マリュドゥの滝展望台

六時頃に起きて、前日買い出した食料を分担する。七時前に朝食。これから先暫くは美味しい食事にはありつけないので、食べられるだけ食べておいた。今日から俺は、スキーで痛めた膝を守るサポーターを使用した。大原バス停(今年から場所が変わっていた)から始発のバスに乗り、浦内橋で下車(9:43)。そのまま船着き場まで行くが、ここで問題発生。浦内川観光のお姉さんに、森林事務所に連絡しろと言われてしまった。そんなん知らんかったし、多分去年はしていないのだが。慌てて電話をして、ことなきを得た。十時半、浦内川の遊覧船に乗り込み、入山口である軍艦岩の船着き場を目指した。

10:59入山。人が多すぎたので、とりあえず昼飯にした(11:06〜12:10)が、にゅうめんはドロドロでグロかった。その後は登山道を登り、すぐにCS1の展望台に到着(12:35)。マリュドゥの滝が綺麗だった。ここで暫く休み、13:01にカンピレーの滝ピストンに出発した。マリュドゥの滝上は、事故多発のため立入禁止になっていたので、そのままカンピレーの滝まで行った。13:17カンピレーの滝に到着。人は多かったが、気にせず大レスト(〜14:33)。ひなたぼっこをしたり、泳いだり、のんびり過ごした。その後、14:49展望台に戻り、今日の行程を終了。明日からに備え、ザイルワークの練習等をした。15:55から、夕食準備。この日の夕食は鯖の味噌煮だったが、食当が味噌を忘れるというチョンボ。インスタント味噌汁煮込みに早変わりした。なお、この鯖を入れたお陰で俺のザックからはかなりの悪臭が… 夕方から突然雨が降り出し、明日からの沢に一抹の不安を感じた。

3月7日 曇り時々雨
行程(時間は休憩を含まない)
マリュドゥの滝展望台
 ↓25分
浦内川
 ↓1時間10分
ギンゴガーラの滝
 ↓3時間50分
ギンゴガーラ・仲良川北側支流分水嶺

5:29起床。夜中何度か雨が降ったが、たいした降りではなかったのでそのまま入山することにした。6:38、出発準備は完了したが、辺りが暗いので夜明けを待つ。西表は京都より一時間ほど夜明けが遅いのだ。七時前に雨が降り出し、7:08、雨具を着用しての入山となった。

展望台からはうっすらとついている踏み跡を辿ったが、途中で消えてしまったので、尾根を外さないように降りた。7:33、浦内川に降り立つ。ここから少し上流のスラブの上を徒渉したが、危険ではなかったものの流れが強く、secは苦戦していた。その後、ギンゴガーラの流れ込みに懸かる滝を左から巻き、7:43入渓。そこから暫くは特に難所も無く、8:41にギンゴガーラの滝に到着した。ここでレスト(〜8:56)。この時は曇りだったが、晴れていればかなり美しく見えるだろう。このレスト中、SLから去年の黒糖の残りをもらったが、明らかに変質していた。でも食べてしまった。レスト後、右岸から巻き始めた。最初は岩壁に沿って進んだが、ここには踏み跡があった。その後、小ルンゼの飛瀑7メートルに打たれ、その直後の岩壁の隙間から15メートルほど上に登った。その上のなだらかになった場所から、右手にトラバース。9:41、ギンゴガーラの滝の落ち口に出た。ここでレスト(〜9:56)。この巻きはぬるぬるしていたのでいやらしいと感じたが、まだまだ序の口だと、翌日思い知らされることになった。この先は大巻きは無かったが、右に大きな倒木のあるチョックストン滝は難しかった。右壁を際どく登るか、中を大開脚チムニーで突破できる。11:01〜11:45で昼食を取る。おかずに川海老を集めてみたが、あまり 捕れなかった…

その後暫くは特に難所も無く、12:35〜12:52、標高265メートルの二俣で再びレスト。この間に目の前にあった滝壺にルアーを投げてみたが、何も釣れなかった。この二俣は、遡行図の通り左の支流から、岩壁のクラックを登り突破。暫く行くと二段10メートルの滝。ここは二段目から直登したが、その上に遡行図にない5メートルの滝が。ここは手も足も出ず、10メートルの滝の落ち口から右岸巻き。13:51、湿地帯に出た。この先に水場は期待出来そうになかったので、右から来るルンゼの奥で何とか水を汲んだ(〜14:11)。その後はすぐに分水嶺のCS2に到着。このテン場はあまりに狭く、凸凹で不快。蛭も多かったが、犠牲者はSLのみだった。17:15から夕食をとり、19:30就寝。

3月8日 曇り時々雨
行程(時間は休憩を含まない)
ギンゴガーラ・仲良川北側支流分水嶺
 ↓3時間30分
仲良川本流出合
 ↓1時間
麗しの滝(ナーラの滝)
 ↓10分
仲良川南側支流出合
 ↓50分
水線のある支流出合

5:29起床。夜中は風が強かったが、雨はあまり降らなかったようだった。6:57に出発。7:26、最初の難関8メートル滝に到着した。ここは予定通り左岸落ち口からアプザイレン(〜7:53)。支点は立木だが、結構細い木だったので少し緊張した。この直後、第二の難関4メートル滝。ここのゴルジュは深く、突破は困難と思われる。そこで、予定通り右岸から巻いた(8:08〜8:33)。ここの巻き道は入口はしっかりしていて、良いテン場もある。だが暫く行くと全く消えてしまった。尾根は広く、わかりにくい地形だった。尾根を越えた先の小さなルンゼから下降したが、ヌルヌルヤブヤブでかなり苦戦した。巻き終えてから暫くレスト(〜8:50)。その後、大高巻き手前の4メートル滝上に着いたので、高巻き前に小レストを入れた(9:11〜9:22)。

その後、今合宿中最大の巻きに入った。ここもうっすらと踏み跡があったのでそれを辿ったが、その踏み跡は途中で小ルンゼを一本越えたところで小尾根上を登り始めた。その先のルンゼを越えづらかったのでそうしたのだが、いくらなんでも高すぎるから登らずに行った方が良いとか、このまま行くべきとか議論が起きた。ここは結局暫く登ってみることに。結構高度を上げ、傾斜が緩くなったところから左にトラバースするように踏み跡が続いていたので、ここからはトラバースに戻した。その後は対岸の斜面から場所を推定し、下降可能と判断できる尾根を辿って沢床へ。巻きを終えたのは10:51、実に一時間半の大高巻きだった。この巻きもヌルヌルしていてフリクションが効かず、体力をかなり消耗した。沢床に着いた後は、そのまま昼食をとったが、ここで突然の土砂降り。かなり悲惨な昼食だった(〜12:03)。

この後は特に難所も無く、12:57に麗しの滝(一般名称はナーラの滝)の上に着いた。ここはなかなか良いところだが、岩はかなり滑るので要注意。我々が到着したときには、滝の下に観光客が10人程いて、水遊びをしていた。13:08までレストをしてから、巻き降りる。ここの巻き道は一般人も通るようで、赤テープがバッチリ付いていたが、やはりヌルヌルでとても一般人が歩けるところではない気がする。雨の後だからだろうか?距離は無いのだが結構てこずり、滝の下に着いたのは13:31。ここで13:49までレストし、記念撮影をした。そこから予定のCS3までは10分程だったが、翌日のことを考えて先へ進む。この辺りでSLはオオウナギを見つけて騒いでいた。先輩方の話の通り、地形図で水線が描かれた支流の合流点に良いテン場があったので、この日の行動はここまで
とした(14:46)。この後、テント内の蛭を焼いているときに、テントに穴を開けるというアクシデントがあったが、その他は何事も無く、19:30に就寝した。

3月9日 曇り一時雨後晴れ
行程(時間は休憩を含まない)
水線のある支流出合
 ↓3時間40分
仲良川南側支流・クイラ川北側支流分水嶺
 ↓1時間30分
クイラ川本流出合
 ↓1時間20分
クイラ川・大浜ルンゼ分水嶺
 ↓1時間
大浜

5:29起床。前日はあまり眠れなかった…。皆結構疲労が溜まっているようだった。この日の行程は長いので、一抹の不安が。ともかく7:04に出発した。この日は鯖に依るザックの臭さが最高潮だった。7:37、三段テーブル状の滝に到着。ここは直登可能ということなので、Topにショルダーでの突破を試みてもらったが、失敗。降りるときに岩の上から落ちたので、下手をすると怪我をしていたかもしれない…。この時は下で支えていた俺が左手でブレーキをかけたので、怪我をせずに済んだ。失敗に懲り、この滝は左から巻いた。次の8メートル滝に着いたのは7:53。倒木を使い直登とのことだったが、倒木は跡形も無かったので、ここも左から巻く。巻き終わったところでレスト(8:07〜8:19)。次の難所は10メートルの滝(8:26)。ここも左から巻くのだが、ザイルを使った方が良いかもとは言われていた。Topに偵察してもらったところ、何とかそのまま行けるだろうとのことだったので、今回はザイルは使わなかった。ただし、一部ホールドが弱く足場も狭い部分があるので、経験が浅いパーティーや疲労時、悪天候時には要ザイルだろう。巻き終えたのは8:39。この時だけ小雨がぱらついていた。

その後は暫く難所も無く、9:11から9:24まで一度レストを入れた。レスト後すぐに(9:27)標高175メートルの二股。ここは右に進路を取った。その後、斜2メートルの滝(9:47)。ここは大きな釜があり、Topとsecは軽く巻いたが、広瀬は左からへつり、最後は泳いで突破。俺は最後に右からへつろうとしたが、中程でホールドが無くなり、無念の落水… 俺はザックを背負っていれば5メートル程泳げる(淡水でザック無しだと3メートル以下)ので、ぎりぎり泳いで突破。今合宿中一番危険な場面だった。他の奴らは笑っていたけど。疲れ果てたので、9:53まで休ませてもらったが、動揺していたので150cmスリング3本を落としてしまった…。その後すぐ(9:56)、標高185メートルの二俣。ここは左へ。10:11から10:20まで、ミニゴルジュの下で水汲みレスト。ここはゴルジュの左壁から水が吹き出す変わった地形。正面のゴルジュは倒木を伝い、チムニーを織り交ぜ突破した。11:25、仲良川とクイラ川の分水嶺に到着し、ここで昼食とした(〜12:15)。

分水嶺からクイラ川の支流を降った。ここは巻きはヌメるものの特に難所は無く、ザイルを使うことは無かった。13:19から13:34まで一度レストを入れ、14:14にクイラ川本流に出合った。このころから晴れ間が現れ、気温もかなり上がってきた。クイラ川の瀞は水が透き通っていたこともあり、secと広瀬は泳いで突破していた。14:31から14:43まで一度レストを入れ、15:25に大浜に向かうルンゼに入る。ここは聞いていたとおり、ゴーロがあるが簡単な沢だった。上流部は湿地状になり、15:45に分水嶺らしきところに着いたので15:55まで休む。この時点で天気図は夜描くことにした。分水嶺からはコンパスを見つつ沢を降るが、すぐに沢は右手に曲がり、正面には新たな尾根が見えた。どうやら先程の分水嶺は支流のものだったらしい。16:00、本当の分水嶺に到着し、そのまま大浜に向けて降り始めた。この最後のルンゼは、ゴーロや滝が結構多く、疲れが溜まっていた我々にはかなりこたえた。それでも、17:03に遂に大浜に到着!皆荷物を放りだし、傾きつつある日差しと海風で乾かしていた。俺も鯖臭さを解消できた。

テントを設営したあと、俺は釣りを、広瀬は海で泳いでいた。時間もあまりないし、もう魚は釣れないだろうな…と思いつつルアーを投げていると、突然強い引きが。さすが西表は違う!と感激したが、釣れたのは変な長い魚。90センチはあったが、何か良く判らない。細長いし、ルアーに食いついたんだし、これはダツだということにして、焚火で焼いて夕食のおかずにした。でも、Part1から帰ってからのはら荘に置いてきた図鑑で調べたところ、明らかにダツではなかった。…食べても全員中毒しなかったし、まぁ良し。ダツモドキが皆の胃袋に収まってから、焚火を囲んでY先輩からの差し入れのウイスキーを飲む。これまでも毎晩ちびちびやっていたのだが、俺以外はあまり酒を飲まないこともあり、結構残っていたのだ。さすがに最後の夜だけあってこの晩は皆も飲んでくれ、すぐに酒瓶は空になった。

この夜、22時からの天気図を描こうと試みるが、中国語の電波が強すぎて断念。どうやら日中でないと天気図は描けそうに無いようだ。仕方ないので、卑劣にも携帯電話で天気予報を確認した。結果は晴れの予報だった。この夜は、23時頃ばらばらに就寝。secと広瀬は外で寝たようだ。この夜は星が奇麗で、夜明け前ちょっとテントの外を覗いたら、蠍座が奇麗に見えていた。

3月10日 晴れ
行程(時間は休憩を含まない)
大浜
 ↓40分
別れ浜
 ↓2時間10分
南風見田の浜

本日は行程も短いので、のんびり7時起床としておいた。俺は一人で少し速く起き出し、ちょっとルアーを投げたが、この時は釣果無し。7:00に皆を起こし、朝食をとる。8:44、照りつける日差しの下出発。やはり海岸の日差しは強烈で、かなり暑い。しかし、吹き抜ける風はさわやかだった。9:33から9:50、別れ浜を過ぎた辺りで一度レスト。何だかSLとSECは疲れがたまっているようだった。やはり昨日は頑張りすぎたか…。どうやらSLは足の爪が死にかけていたかったらしく、この後も遅れ気味になっていた。海岸は皆思い思いに、海に入ったりゴーロを乗っ越したりしていたので、パーティー内の距離が離れすぎてしまうことが度々あった。反省。10:54から11:08まで最後のレストをとり、12:04、遂に南風見田の浜に下山。

この後は、今年から路線バスが豊原まで来る様になったので、一時間弱道路を歩き、豊原からバスで野原荘へ帰った。最後にバスの運ちゃんに大原のバス停を100m程スルーされるというハプニングはあったが。のはら荘では洗濯等をして、Part2に備えた。

文責:平澤
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