05年後期沢パーティーpart3

比良山系「八幡谷遡行、口ノ深谷下降」

05年11月12日〜13日 1泊2日 4人

行程
1日目:細川(入山)---二股の13m滝---武奈ヶ岳(幕営)
2日目:武奈ヶ岳---わさび峠---13m飛瀑---牛コバ---坊村(下山)

 本来なら、パート3はここではなく、大峰山脈の上多古川竹林院谷遡行、下多古川本谷下降のはずだった。しかし、忘れ物と天候不順が重なったため、実は薮に行く前の週に、入山前に撤退してきたのだ。この時、レンタカーをぶつける、俺が下宿の鍵をなくす等、不運なことが立て続けに起きていた。そのため上多古に行きたくなくなった俺が急遽打ち出したこの計画。どちらも俺には経験があり、すんなり行ってくれるはずだったのだが…

1日目 雨のち晴れ
 当日朝ボックスを出発し、7時10分に入山。雨が降っていたので全員上下雨具を着込むが、天気のせいでサブリーダーは見るからにテンションが低かった。雨と風でかなり寒く、ペースもあがらない。さらに、直登を好む俺と巻きを好むサブリーダーの性格の違いから、ルート選択が悪い方へ悪い方へと向いてしまった。最初のゴルジュでは、中を行けばすぐなのに高巻いてしまったし、次のゴルジュでは練習に滝を直登させたら、すごく時間をくってしまった。この直登は以前俺が来たときのルートだったのだが…。この時に、自分が行けると思って示したルートを面子が上手く通過できなかったことで、この日はルートの指示が出来なくなってしまった。その後はどのルートをとるかで俺は遠慮がちになってしまい、遡行図通りに登れるはずの滝を無理に巻いたりして、時間はどんどん過ぎて行く。二股の13m滝の手前には、予定より相当遅れて15時30分頃に着いた。この時点では暗くなるぎりぎり手前の17時には幕営地に着くと考えられた。だが突然サブリーダーが、二股手前の小ゴルジュを高巻くと言い出したのだ…。小ゴルジュに詰まった倒木を嫌っているらしかった。以前俺が来たときはそのまま通過したはずだが、ここでもサブリーダーを止めることは出来なかった。彼の言うように右手の泥斜面から巻いたのだが、これはかなりきわどく、結局谷に下降できなくなり懸垂下降でなんとか突破した。この時点で時刻は15時53分、地点は二股の13m滝の直下。もはや日暮れまでにテン場に着くことは不可能で、稜線に出ることも怪しい。しかし、周囲にビバーク可能なところも見られず、採れる策は出来る限り早く沢を登り、ビバーク地点を求めることのみだった。13m滝は左の壁から巻き、その後水を一人2・汲ませる。しばらく進み遡行図上の最後の滝を超えると、右手の細川尾根との距離がだいぶ近くなってきた。この尾根上には登山道が通っているのでこの上まで行ければヘッドライトで行動も可能なこと、武奈ヶ岳山頂直下には幕営スペースがあることを判断し、予定より早いが細川尾根への斜面を登ることにした(16時40分)。急な斜面を20分ほどかけて登り、細川尾根に出たのが17時2分、武奈ヶ岳山頂直下の幕営地に着いたのが17時9分。急いでテントを張り、ここで泊まることになった。この比喩良い強かったことは、2回のリードの練習がどちらも結構すんなりとできたことだけだろう。この日のテントの中で面子で話し合い、明日以降はきちんと面子同士の意思疎通をとろうとか、遡行図に無いルートを行く場合のリスクを認識しようとか、高巻きは低く行くのが原則だとか、いろいろと面子で確認し合った。

2日目 快晴
 翌日は4時30分に起床。遅れを取り戻すために、まだ暗い5時33分に、ヘッドライトをつけて武奈ヶ岳からわさび峠を目指し出発した。6時7分にわさび峠を通過し、6時21分、幕営予定地に。ここから沢の装備を整え、6時38分口ノ深谷の下降に入る。この日は快晴だったので皆のテンションもあがり、口ノ深の下降はすいすい進んだ。途中の懸垂下降は2回行ったが、二回目では空中懸垂をするはめになった。空中懸垂は始めての松尾は緊張していたようだ。この場所での懸垂下降は、ここに来た過去の沢MENはほぼ行っているはずだが、空中懸垂になったという話は聞いたことが無かった。ここは巻きの途中から懸垂下降するので、おそらく下流側のゴルジュの深いところまで巻いてしまっていたためだろう。その後は特に問題もなく、最下流の廊下の上から巻き道を辿り牛コバへ13時33分に到着。14時7分に坊村へ下山。今回の山行では、沢MENの精神的な弱さが明らかになったが、逆に言えば皆成長できたのではないかと思う。

文責:平澤
地形図(2万5千分の1):比良山、花背、北小松
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