05年度前期縦走松田パーティー合宿

北アルプス「常念岳〜槍ヶ岳(〜穂高岳)」

05年8月7〜10日 0付3泊4日 4人

行程
1日目:三股(入山)−蝶ヶ岳(CS1)
2日目:蝶ヶ岳−常念岳−常念小屋−大天荘(−大天井岳piston)(CS2)
3日目:大天荘(−大天井岳piston)−西岳−槍岳山荘(−槍ヶ岳piston)(CS3)
4日目:槍岳山荘−殺生ヒュッテ−槍沢ロッヂ−横尾−上高地(escape下山)

概要
 蝶ヶ岳から常念岳を経て大天井岳へ行き、そこから槍ヶ岳へ登り、大キレットを通過して穂高岳へ行き上高地へ下りる4泊5日の計画で入山した。3日目までは天気も良く、非常に心地良い山行であったが、4日目の朝に暴風雨に見舞われ、escapeを余儀なくされたため、槍ヶ岳から槍沢ルートを通って上高地に下山した。

0日目
 正午過ぎに京都を出発。今度も青春18きっぷ。中央線で大雨のために電車が大幅に遅れ、更に松本では祭りの帰りの満員電車に巻き込まれた。豊科駅で降りて駅寝。丁度良い庇はなかったが、幸い寝ている間は雨が降らなかった。

1日目 晴一時雨
 駅前からタクシーで三股へ。駅では曇っていたが、入山口へ近付くと晴れていて常念岳が綺麗に見えた。7時過ぎに入山し12時にはCS1の蝶ヶ岳に着いた。昼食を採りながら見た蝶ヶ岳からの眺めは壮大だった。槍穂の稜線には雲が掛かっていたが、遙か下に梓川を見下ろす眺望には圧倒された。
 14時頃からは雷鳴を伴う夕立がやって来たが、過ぎた後は晴れて、夕日が沈む頃に姿を現した槍ヶ岳のシルエットや、日が沈んだ後の星空が綺麗だった。

2日目 晴時々曇
 5時、日の出を横目に見ながら出発した。朝日を受ける槍穂もいいと思った。
常念岳を登っているとき、30代後半くらいの男性に、軽快な足取りで追い抜かされたが、挨拶のついでに今後の行程を訊かれたので、正直に答えた。我々はその日大天荘のテン場に泊まる予定だったが、どうもその人も同じらしい。
常念からの展望は非常に良かった。緑の大地に槍穂の白い稜線、そして空の青が綺麗だった。東天井岳を過ぎたところで時計を見ると12時になっていて、そこで初めて昼食を採っていないことに気付き、昼食レストをとった。13時半に大天荘に着いた。
テントを設営し、暫くしてから大天井岳山頂へピストンすることにした。気付くと森戸が寝ていた。山頂へ行くと、雲で展望はあまり良くなかった。シャッターチャンスを狙ってカメラを構えているおっちゃんに日本酒を貰ったが、これがうまかった。冨士は酒に弱いのにここで飲んだので、下りで少しふらついていた。

3日目 晴後曇
 朝起きると晴れていたので御来光を見に山頂まで行った。個人的には一回生の時に槍の山頂見たやつの方が良かったと思うが、今回のも綺麗ではあった。
大天井岳を下り西岳の方へ向かって出発すると、大天井ヒュッテの前で前日に行程を訊いてきた男性と出会った。どうやら我々と同じ方へ行くらしい。その男性は前日と同様に、持ち前のペースでさっさと先へ行ってしまった。
進むにつれて大きく見えてくる槍ヶ岳の姿は美しかった。西岳ヒュッテから水俣乗越まで下り、そこから少し登ったところでレストをとると、古川がザックからグレープフルーツを取り出してきた。流石古川。やはり山では柑橘系が美味しい。途中で少しペースダウンはしたものの、12時前には槍岳山荘に着き、昼食を採った。
山頂ピストンでは運悪くおばさんらのグループの後ろに着いてしまい、岩場で結構待たされることになった。
丁度その時、さっきの男性が降りてくるところで、「君ら遅かったね、途中までは着いて来れてたのに」と言った。あなたが速いんだと思います。
残念ながら山頂はガスっていて展望はなかった。翌日の御来光を期待することにした。

4日目 雨後晴
 朝、目が覚めると風雨が激しかった。御来光は望めず、且つその日の行程には岩場、そして大キレットが待ち受けていたので、とりあえずテントの中で様子を見ることにした。日が昇っても風雨は収まる気配がなかった。沈をしようかと話し合っているうちに、風でテント自体が飛ばされそうになって来たので、とりあえず小屋へ避難した。
 上高地へのエスケープルートは長いため、天気図を取ってから出発しては、下山が遅くなる可能性があると考え、殺生ヒュッテまで降りて天気図を取る。天気図を見ると停滞前線が発生していたので、エスケープを決定した。
雨が降ったり止んだりする中を下って行ったが、横尾の辺りまで出るともう晴れて来ていた。この時既に13時半であったが、昼食を食べるのを忘れていたので昼食レストとした。徳沢園を過ぎると道は殆ど林道だったので、例によって冨士と森戸は元気になりペースを上げた。が、最終的に上高地の河童橋に最初に着いたのは私だった。一方、古川はやはりマイペースだった。16時過ぎには全員上高地に着いた。

下山後、上高地で温泉に入ろうとしたが、時間が遅くて入れなかったのは残念だった。帰りのバスの乗車券を買おうとしたら、タクシーの運ちゃんが同じ金額で松本まで乗せてくれると言ってきたので、タクシーに乗ることにした。案内されてタクシーのところまで行くと、それは10人乗りのマイクロバスサイズのタクシーで各座席にはテーブルまで着いていた。4人がザックを持って乗り込んでもまだ余裕があった。
ちなみにこの日、私と冨士は、原因不明の下痢になっていた。もしあのまま山にいたら悲惨なことになっていたかもしれないと思ったりもする。
松本では打ち上げの後、松本城内で後ゼロし、翌11日には4人で国宝の松本城天守閣を見学してから解散した。

感想
冨士:山行中の飲酒はよくないと思った。見知らぬおじさんがおいしい酒をすすめてくれても、あとさき考えずに受けとってはいけなかったと反省した。最後は山の天候の厳しさを実感する結果となったが、前半は非常によい天候でよい景色が見えてよかった。
森戸:合宿にして初めての豪雨に見舞われたが、あれは壮絶なものだった。山の厳しさを実感した山行であった。今回の山行は雪渓あり、ガレ場あり、岩場ありでなかなか楽しかった。
古川:蝶ヶ岳は2回目だが、やはりアルプスなのは頂上だけだった。今回は天気もよく、すばらしい眺望にめぐまれてよかった。3日目、途中で水分補給を怠り、久々に地獄を味わった。そして翌日の暴風雨。…とにかく生きて帰れてよかった。上高地に下ると晴れていたが、これは「またおいで」と言っていると解釈しよう。上高地の温泉は登山客をバカにしているとしか思えない。全体的には、大キレットに行けなかったのは残念だが、これまで遠くに見るだけだった槍ヶ岳に登れたので、まあ満足できる内容であった。

文責:松田

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