02後期 沢パーティーPart3

台高・本沢川黒石谷遡行


【日時】
02年11月2日〜3日 1泊2日 4人



今回の予備合宿の中で、今なお強烈なトラウマになっているのが、この黒石谷遡行である。

計画自体は、前期に出して結局行けなかったものをそのまま使った。黒石谷は明神滝、扇滝といった大きな滝の連続するスケールの大きな谷で、前から一度行ってみたかった谷だ。3級の沢ということで難易度的にも完成編に丁度いい。

例によって0付は無しで土曜の早朝に出発する。計画段階では気付かなかったが、先週の南股のすぐ近くの沢であり、アプローチは簡単であった。

8時くらいに入山口につくが、かなり寒くて車から出たくなかった。風のせいもあるが、こんなに寒かったのは初めてである。吉田がみんなの士気を高めようと、「沢が俺たちを呼んでるぜ!」と叫んだが、あんまり効果は無い。

とにかく沢が呼んでいようと無かろうと、完成させるためには行くしかない。林道を少し歩いた後、入谷した。

1日目は明神滝、霞滝を経て菅平出合まで行く予定であった。さすがに3級というだけあって、要所要所難しいところも多く慎重に進む。しかし、明神滝下の6m滝にはだいぶてこずる事になった。下から見たところ簡単そうだが、実際に登ってみると、右の壁がかぶっていて、ザックが引っかかってかなり怖い。樋口がフリーソロで登ってFIXをはり、以下はアッセンダーで確保したものの、吉田もクニもかなりてこずり、いまだにトラウマになっているようであった。

そこを突破した後、明神滝下で昼飯にする。丁度すぐそばの流れで魚の影が見えたので、フライをやりたかったが、さっきまであんなに修羅場ってたのにいきなり釣りを始めたらさすがによろしくないかな、とも思い迷った。結局誘惑には勝てず、他の3人にお願いして釣らせてもらう。

3投目くらいにでっかいアマゴが掛かった。測ってみると29センチもあり、こいつはいまだに自分の最高記録である。

2日目は沢自体は鬼滝の巻きくらいしかなく、10時くらいには遡行を終えた。

4人とも計画が貫徹されたと信じて疑わなかったが、実のところ黒石の本当の恐怖はこのとき始まったばかりであった。

レンタの回収を考えて、下山路には左岸の杣道を使ったのだが、この杣道が曲者で、斜面を錯綜しているうえ、途中今にも崩れそうな橋が出てきたりして、その難易度ははっきり言って黒石谷遡行自体よりも上であった。

道を歩いているはずなのにいつも間にかただの斜面をトラバースしていたりして何度も道を見失い、がけの上の丸太の橋を確保しながら超えたりして、気付くと夕暮れまぢかであった。あたりはどんどん暗くなっているなか、ようやく下のほうに道があることを見つけ、ルンゼからアプザイレンして本流に下りる。

今度通行不可能なところが出てきたら行沈するしかない、と思っていたが幸いそれ以降の道はしっかりしていてリヒトをつけながらやっとのことで林道にたどり着いたのであった。


文責:齊藤
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