2002年度前期縦走面 柳川Party合宿

北海道 大雪山(石狩岳〜化雲岳〜トムラウシ〜白雲〜旭)


【日時】
2002年8月9日〜14日

今年の北海道は異常に寒かった。7月末から前線が東北地方に停滞し大雨を降らせ、高橋パーティーの予定を大きく狂わせると共に北海道の気候にも大きな影響を与えた。合宿前、合宿中は常に雨がちで夏らしく晴れることがなかったと言ってもいいぐらいである。とにかく寒かった。

【0付】
8月8日 曇ときどき雨
 旭川駅に集合。それぞれフェリー、飛行機、青春18切符などなどで集合。日中の気温が16℃。やたら寒く感じた。とりあえず荷物を固めて置いてしばらくしてから買出しに行くことになったのだが、ここでまた予期せぬハプニング☆
 装補下村が、ザックが見当たらないと言い出した。集合時間より早くに着いた彼はザックを持っているのも、その辺りに置いておくのも嫌だったらしく、(彼なりに安全だと思ったのであろうか)ロッカーに入れ鍵を掛けずにいたと言う。集合後ザックを取りに行って見てみると開いているはずのロッカーに鍵が掛かっていた…。どうしたことだろう?周辺を探してみたが見当たらず駅員に鍵を開けてくれるよう頼んでも聞き入れられず。困ったことになった。本人もうなだれ気味(←珍しく、貴重な一場面だったような)。誰しも入山前にザックを盗られその場で一式買い揃えたという某氏を思い浮かべたことだと思う。この時は京都から一式送ってもらおうという案が有力だった。しかし、事件はあっさり解決した。実はロッカーの管理人が鍵を掛けたのだった。きっと不当な使い方をする者を懲らしめる為だったのだろうなー。一先ずホッとした一同であった。
 気を取り直して買い出し後18:40発の最終バスで層雲峡へ。野営場でC.S.0。真っ暗な中幕営、肉をペミした。当然のことながら虫がわんさか。あれもお勧めしない。事前の情報によると、降り続いた雨の為北見への道が通行止めになっており翌日の入山は微妙であった。翌日の心配をしつつ就寝。

8月9日  雨のち曇
 朝から雨だったが入山することに。天気が好くなる見込みが無いた為かリーダーの判断による。入山口まで送ってくれたジャンボタクシーのおじさんは熊に気を付けるようにとしきりに繰り返していた。(あまり心配するので内心少し怖くなってしまった。)ともあれ10:15入山。十石峠からユニ石狩へのピストンには伊藤氏は行きたがらずお留守番。熊が来ないようにザックを見張っていてくれてたらしい。
 名前からして嫌な感じのブヨ沼でC.S.1。その名の通り蚊が多く、テントの中に入れ忘れていたゴミ袋を狐に荒らされるなどあまり良い印象の無いテン場であった。この日は一人の登山者にも出会わず。

8月10日  雨のち曇
 この日はコースタイムが最も長く体力要すると予想された。登山道上に腰もしくは肩まであるハイマツが広がり掻き分けて進むにもかなり労力を要した。トップとしては松脂で汚れるし雨水でセパや靴が濡れるしでひどい状態だった。今思うとここで靴が濡れてしまったのが不運だったなぁ…。悪名高い根曲がり廊下は刈り払われ大変歩き易かったがこの頃から食当斉藤がバテ気味となる。明らかにふらふらしており危なっかしい足取り。目も虚ろで、一体どこを見て歩いているのだろうと不思議なくらい。なのにわざわざ疲れている自分の顔をアップで写真に収めていた。いい記念になったのかな?6時過ぎに沼ノ原C.S.2予定地に着くと案の定水没しており少し戻って分岐にテントを張る。ここがまた熊が出そうな非常に嫌な感じの所であった。この時ほど田辺氏から譲り受けた、あの鐘のように鳴り響く熊鈴を有難く思ったことは無かった。沼の水には赤い虫(?)が多量に浮遊しゾゾッとしたものだった。とても疲れた一日だった。熊に怯えつつすぐ就寝。

8月11日  曇のち晴れ
 何事も無く平和な朝を迎えた。沼ノ原からトムラウシが見え、また天気も徐々に良くなってきたため非常に元気付けられる。長雨のせいか道がぬかるみ、しばしば大きな水溜りに出くわして通り抜けるのに困難を要した。長靴を履いた日帰り登山者が難なく通り抜けて行くのをしばしば見送ることとなった。4時前にヒサゴ沼C.S.3に着きのんびり過ごす。夕食のスパイスを混ぜ合わせたようなカレーととても綺麗な夕焼けが印象的であった。

8月12日  晴れのち雨
 5時出発。ヒサゴ沼から稜線に上がる斜面には残雪がべったり張り付いており戸惑う。前日下りに使った道へと迂回の指示を期待して振り向くと、リーダーはものともせず登り始める。なんとかゆっくり登ったが、怖かった。トムラウシへのピストンはなだらかな道が続き、所々構造土を見かけたりナキウサギの鳴き声が聞こえたりと楽しいものであった。山頂での眺望は360°。素晴らしい眺めにかなり感動。しかし、風が強く非常に寒かったためのんびりしていられず早々に引き返すこととなる。
 この頃からS.L.の靴擦れの為ペースが大分ゆっくりとなる。また雨も降り出す。予定の白雲まではとても行く事ができずやっとの思い(S.L.にとって)で忠別小舎へ到着。テン場の人に人工皮膚をもらい大変助かった、と同時に医療箱に常備する必要を感じた。実際あのとき人工皮膚をもらっていなかったら後の二日間歩き続けられただろうかと思う。まだまだ認識と対策が甘いことを痛感させられた。以降の教訓にして欲しい。疲れていたせいかこの後の記憶はほとんどなくいつの間にか就寝。

8月13日  雨とガス
 完沈。
 朝外は真っ白。雨の混じった強い風が吹いていた。一時雨が止んで明るくなったかと思うと再び降り出すという変な天気。一方のテントはトランプに興じもう一方では読書に耽っていたが飽きて語り出すという展開になった。詳細は秘密。毎食のマッシュの味付けを工夫したところ、個人的には水を加えず塩・胡椒でフレーク状のままが一番食べやすいような。ココアとカレー味はどうかと…。こうしてあっという間に一日は終わった。S.L.にとって足の回復の為には有難い日であった。ほんの少し雨に感謝したりもした。

8月14日  雨のち晴れ
 朝またしても雨であったが6時頃出発。雨とガスの中寒くてレストする気にもならずひたすら歩く。道はぬかるみ所々川のようになっていたがこれ以上靴を濡らすまいとがんばる。白雲C.S.地に着く直前から急に晴れだし暖かくなる。さっきまでのあの寒さは一体何だったのか、とむ〜と思ったりもしたが、北海道に来てから暖かいと感じたのはこれが初めてでとても嬉しいものだった。夕方、非常によく晴れ渡り、テン場に人も多く賑やかな雰囲気を楽しんだ。明日の下山を控え、「結構ハードだったがいい合宿だったなー、これで満足満足」とほのぼのしていると柳川氏が一言、「もう一週間続けても平気だぞ。」・・・。まだ物足りないご様子。一同びっくり。やはりまだまだ軟弱な1・2回生との違いを感じた一瞬であった。

8月15日  晴れ
 本合宿で唯一朝から晴れ。雲はなく、見晴らし良好。しかし風は強くてやはり寒かった。エスケープで旭岳温泉に下山。旭岳は遠くから眺める分には尖っていてきれいな山であるが、下まで来ると、本当にこれを登るのか?と思うほどの急な登り。バランスを崩すと下まで滑っていきそうな厄介な山だった。
 山頂で半袖、小さなリュック、長靴姿の元気なおじさんに会う。どこかで会ったような・・・と思いきや、なんと3日前にトムラウシの山頂で写真を撮ってくれた人だった。どうやら日帰りでピークを踏み歩いているらしい。不思議な偶然があるものだ。丁度ロープウェイが動きだしたらしく、ロープウェイで上がってきた大勢の人が一斉に山頂目指して登って来るのが見えた。もう少し遅かったら山頂は人で埋まっていただろうと思い、安堵しつつ流れに逆らうように下る。11:30旭岳温泉に下山。お疲れ様!

【下山後】
 ユースホステルの温泉に入り、のんびりした後旭川へ。予てからのリーダーの予告通りジンギスカン鍋で打ち上げ。翌日、合宿を終えたことの満足感と終わってしまったことの一抹の寂しさを覚えつつそれぞれ帰途についた。
 予備合宿、本合宿を通して終始にぎやかな楽しいパーティー&山行であった。個人的にはぜひぜひ一度は北海道の山に行かれることをお勧めしたい。


文責:???
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