2002年度前期縦走面 池田Party 合宿

大雪山系 旭岳〜トムラウシ〜天人峡


【日時】
2002年8月16日〜21日

【入山前】
8月14日
 SLとCLは自転車をこいでいた。旭川の市街地から旭岳温泉を目指して、距離にして60kmほど、標高差は1000m以上の長い道のりを。結局、朝一に旭川を出てふもとのユースに着いたのは夕方であった。皮肉な事にも北海道に来て久しぶりの好天である。

8月15日
 チェックアウトをしてキャンプ場に行く。キャンプ場に荷物を置いて飯を食い少し散策に行った。すると、ユースの前に柳川パーティーがいた。エスケープ下山してきたようだ。
 ちょっとした情報と熊よけスプレーをもらった。ビジターセンターへ行く途中、柳川パーティーのものと思われるザックが烏の餌食になっていた…ぶらぶらしていたら、1回が着く時間であった。1回をバス停まで向かいに行きテン場に連れて行こうとしたときに、電話が鳴った。柳川さんからである。用件は、「中川が温泉に携帯を忘れたから取ってきて、バス停まで届けてくれ」とのこと。というわけで、あわててユースのラウンジに行き携帯を探しそれをバス停で渡した。テント場に戻るとテントはすでに張られていた。1回が温泉に入りたいと言うので、その間にペミをしておいた。田中が長湯していたため1回はなかなか戻ってこなかった…戻ってきてから夕食のうなぎを食べた。

【入山】
8月16日
 いよいよ、入山である。ロープウェイの横の道はロープウェイのために使う人が少ないと思われるので、熊におびえつつ登っていった。だが、熊の気配など無かった。だんだんと木の高さが低くなり高山植物が出てきたかと思ったら、ロープウェイの終点近くまで来ていた。予想以上に早く着いたので、少し戸惑ったが先に進んだ。種子を付けたチングルマがたくさんあったことからすると、もう少し早い時期にくれば真っ白の綺麗なお花畑が見れた事であろう…旭岳はもう目の前にしっかりと見える。
 旭岳の登りで森田が気持ち悪くなった…とりあえず、荷物を分散して歩いた。山頂は意外と人がいた。天気は悪くは無い。大雪の山々は非常に綺麗である。山頂で昼食を取ってからCS1である旭岳の北側にある幕営地を目指した。ところが、天気もよく到着時間があまりにも早かったのでCS2予定地である黒岳石室まで行く事にした。時期的に高山植物には遅いと思ってそこまで期待していなかったが、遅咲きの種が多く見られたのでなかなか良かった。しかも、大雪の本州とは違った山並みがまた新鮮な感動を覚えさせてくれた。テン場に着いてからはCLが一人でサッポロクラシックを空けた。何しろこのパーティーは酒を飲めない…おかげで差し入れを一人で楽しめたのはうれしかったが。しかし、ブータンの酒だけは飲まないほうがいいとは思った…

8月17日
 朝起きたら御来光を見るために桂月岳にピストンをした。テン場に戻り朝飯を食ってから出発した。黒岳のピストンはカットした。この日も天気が良く快適なトレッキングを楽しめそうな予感がした。白雲岳のピストンも行ってゆっくりと歩いたつもりが、昼飯時にはCS予定地の白雲避難小屋に着いてしまった。小屋の周辺は高山植物がきれいに咲き乱れていたので、ここでCS2としても良かったが、やはり天気がよいという事もあり次のCS予定地である忠別避難小屋まで行く事にした。
 昼食を食べ、出発した時に忠別方面から人が来たので熊情報を聞いたところはるかしたの方に熊がいたとのことである…期待と不安を抱いて忠別岳を目指した。この間は構造土の発達した綺麗な大地が続いていて、非常に綺麗である!避難小屋に着いた頃にはガスが上がり始めていた。忠別のテン場は熊が出るという情報が比較的多かったが、テン場は混んでいたのでその心配はまず無さそうであった。いつもどおり一人酒を飲んで寝た。

8月18日
 朝起きると青空が見えた。しかし、これはつかの間の幸せであった。1ピッチも行かないうちにガスに巻かれてしまった…しかも、微妙にハイマツのウザイ道がしばらく続いた。五色岳の山頂からは何も見えなかった。この日は完全にやる気喪失である…五色岳から化雲岳までの間は湿原っぽいところがあったと思う。そこに高山植物が結構あった。化雲岳の斜面はチングルマの時期に行くと非常にきれいだったと思う。化雲岳の山頂からは何も見えた気がしなかった。とりあえず、ヒサゴ沼を目指した。
 稜線からヒサゴ沼への分岐を行くと、高山植物がきれいな所が続いた。ヒサゴ沼周辺のお花畑には期待していただけのことがあった。分岐から避難小屋までは結構下った。まだ、時間が早い事もあり小屋には誰もいなかった。小屋の2階を占拠して昼飯を食べていた。1回は甲子園を聞きつつウノをやっていたようだ。僕はと言えばひたすら寝ていたと思う…
 夕方になるにつれたて人が増えてきたので領土が減ってしまった。

8月19日
 雨の中トムラウシまでピストンをするのはもったいないので完沈とする。3食マッシュを食べた。1回は昨日に引き続き甲子園を聞きつつウノをしていた。僕はと言うとほぼ1日中寝ていた…

8月20日
 まだ沈をしていたかったCLであるが、沈すると暇なうえ3食マッシュと言う事でメンツが反乱を起こしかけたので、仕方なく雨の中トムラウシのピストンに行った。雨は昨日よりはマシのような気がする。ついでにこの日のうちに下山までしてしまおうと言うつもりで出発した。トムラウシまでの道のりは結構岩の多い道で、メンツが歩きなれていない事もあり、思うようにペースが上がらなかった…そのせいで途中でその日のうちに下山すると言うCLの思惑はあきらめざるを得なくなった…途中イワイチョウが紅葉しかけていた。確かにこの日は凄く寒く感じた。少なくとも夏では無かった気がする。
 灘部が大幅に遅れつつトムラウシの山頂に着いた。寒かったうえ展望は、ほとんど無かったので急いで引き返した。小屋に戻ると小屋には結構人がいた。2階の一角を空けてもらい前の日同様にスペースを確保した。

【下山】
8月21日
 雨はマシであるが風が結構強かった。特に問題とする場所もなさそうなので下山する事にした。化雲岳の風はありえないほど強かった気がする。しかも、かなり気温も低く寒かった。おかげでレストもほとんど取らずにひたすら歩いた。途中、登山道が川になっている所もあった。標高が下がるにつれて天気も回復して来た。天人峡に下山した時には普通の雨はやんでいた。CLとSLは旭岳温泉のユースにデポしてある荷物を取りに行くために1時間くらい山を登り返した。1回はバスで旭川の駅に向かった。
 本来ならこの日に旭川で打上をするべきであったが、CLらは旭岳温泉に着くまでにドシャ降りにあい旭川まで自転車で走る元気を失ったので後日京都でと言う事になってしまった…ユースについてザックを空けて見ると中から水解きマッシュまで出てきた…おかげで、この日はユースに泊まり翌日以降のツーリングに備えた。

文責:池田
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